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2012.02.29
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私のように長い間独身生活を送ってきた男(や女)が結婚して学ぶことの1つに「妥協」というのがあると思う。

ほかの独身主義者の人はどうか分からないが、オレがかつて独身を通そうと思っていた複数の理由の1つにはたしかに「妥協がイヤだから」という側面がある。

これは、単に結婚相手と意見が食い違った時に相手に合わせるといった具体的な妥協もあるかも知れないが、ここでオレが言うのは「長いものに巻かれる」というたぐいの妥協である。

たとえば、人には良心だとか理想だとか理念だとか原則だとか規範というものがある。発展途上国などの弱者を搾取して作られていることが分かっている製品は買うべきではないとか、いくら売上げ目標があるとはいえ不正あるいは不良だと分かっている商品を顧客に売りつけるべきではないとか、いくら親族の顔が利いたとしても、公正な選別や競合を経て獲得すべき公的な仕事にコネを利用するような不公平や不正はしてはいけないとか、仮にバレる可能性がほとんどなかったとしても、公に提示するようなデータや書類を改ざんすべきではないとか、いくら常日頃お世話になっているからと言って、世間をあざむくような顧客の不正や不法行為には目をつぶるべきではないとか、まあそういったことである。

大人気のナイ≠のシューズがあって、これを売り出せば大きな儲けになるのが分かっている。しかし、このメーカーのシューズは、学校にも行けずに日給80円で一日中働かされているバングラデシュの貧民の子供が接着剤中毒になりながら作っているものだということをテレビや本で知っている。このシューズを売ることで、大企業による弱者の搾取を支持してしまうことになる。...しかし、こんな不況の昨今、自分の子供を食わせるのが先決だと思えば、行ったこともない国の子供の貧困など、どうでもいいことだ。

自分が勤める企業が作っている消費財は、東南アジアの森林から伐採した木材を原材料にしている。しかし、この乱開発や森林破壊によってその地域では年間10種類もの動植物が絶滅に瀕し温暖化ガスを増加させることになっているらしい。事務職とはいえ、その仕事を遂行することで自分は自然破壊に加担しているわけだし、自分がもらっている給料もそんな犠牲を対価としているのだ。そういう意味でで、大企業勤めとはいえ、自分は自分の仕事を子供の前で堂々と誇ることが出来ない。...しかし、マイホームの莫大なローンを考えたら、企業倫理だのいった世迷いごとは言っていられない。

自分は莫大な財政赤字を抱えている自治体の職員で、民間企業レベルかそれ以上の給与をもらっている。民間企業でいえば閑職と言えるような仕事をしていて、ホントは3~4時間あれば済んでしまう仕事を毎日定時までダラダラと8時間掛けてやっている。自分の給与の半分は市民の血税を遊んでもらっているようなもので、組織の効率を考えたら自分は本来レイオフされるか、少なくともほかの忙しい部署に異動になってしかるべきだろう。...でも、自分みたいな職員はほかにもいくらでもいるし、自分ひとりが効率化を叫んだところで組織は変わらない。仮に自分が声を上げたとしても、職場の和を乱してほかの職員たちの迷惑になるだけだろう。何よりも、そんなことをして上司ににらまれて左遷されたりしたら妻に離婚されかねない。

職場以外でも、たとえば地元に便益をもたらしてくれそうだからと言って、悪徳政治家として知られているある候補者に投票するよう町内会だの組合だのを通してあの手この手でプレッシャーが掛かってきたりする。自分だけの話であれば、ワイロまがいのさまざまな便宜も自分の良心に反するからと断固と拒否するところだが、妻子が近所から村八分にされることを想像すると、つい「No」とは言えずにプレッシャーに屈し、悪徳政治家の当選の片棒を担いでしまう。

...とまあこのように、「社会人」となることの重要な側面のひとつには「長いものに巻かれる」というのがある。組織の中で不公正だの不正だのをいちいち口にしてしまうようなヤツは、未熟なヤツだとかアブナいヤツだとか言われて嘲笑されたり煙たがれたりして、排除される。

組織内の同じ役職に誰かを採用・登用する上でも、やっぱり独身者よりは既婚者が優遇されてしまうのも、青臭い良心だとか主義だとか理想だとか原理・原則なんかよりも、組織や売上や利益や株価etc.を優先してくれるだろうという「社会的信用」があるからである。独身貴族でまるでシュミ的に仕事をしているヤツは、些細なきっかけでいつ心変わりを起こして仕事を辞められるかも分からないが、妻子がいて家のローンがあるヤツは、多少組織の裏や不透明な部分を目にしたとしてもグッと口をつぐんで(笑)仕事を遂行してくれそうである。

まあそんなわけで、自分の良心だとか主義や理想を曲げたくないと思ったら、妻子を持つことには躊躇してしまうわけだ。童話『裸の王様』のように、コドモでないとなかなか「王様は裸だ」、すなわち黒が黒だとは公言できず、オトナたちは「何んかおかしいな...」と思いつつも「王様、きれいなお召し物で...」などと口にしてしまうのである。

だから、「イヤならやめろ」「ヤリたくなったらヤっちゃいな」を標語として成長したオレのようなバブル世代のピーターパン・シンドロームが結婚する上で、学ばなければいけない妥協のハードルはかなり高くて多いと言わねばなるまい。

とは言うものの、昨今の原発事故だの大企業の不正経理事件だのいった問題を見聞するにつけ、オトナになっても「越えてはいけない一線」というのを常に意識しなければいけないという危惧は感じる。

その「一線」が何かというのはなかなか明示するのは難しいのだが(笑)、オレはそれは「公共心」の一種のようなものに由来するのではないかと漠然と考えている。たとえば、「長いものに巻かれる」とき、自分では「家族を守るため」とか思っているかも知れないが、煎じ詰めれば私利私欲や我欲に走っているということではないのか。所詮は自分自身の延長としての縁者だけの利得を考えているのであって、その利得の陰で犠牲になる人たちのことを顧みようとしない。

原発利権なんかが分かりやすい例かも知れない(笑)。アレで得をした人たちは、目先のみみっちい権益や利得のために、自然とか未来とかいったほぼ取り返しの付かない「公共物」を担保にし、結果的にそれを犠牲にしたのだ。誰もが、自分の妻や子供たちのために「良かれ」と思って選択したことが、結果的に自分たちの首を絞めただけでなく、周りの不特定多数の人たちを犠牲にすることになったのだ。

まあ、基本的な利己主義は個体保存や種族保存の延長ということで一概に否定すべきではないとは思うのだが、自分が何かを選択する際には、それによって失われる可能性のある「公共の利得」に関する想像力を喪ってはいけないと思うのだ。
要するに、「越えてはいけない一線」というのは、「私欲を満たすことが公共性を損なうポイント」といえるかも知れない。

そう考えると、「結婚」や「家族」は必ずしも「良心」や「公正」とは矛盾せず(笑)、妥協し続けなければならないものでもなさそうである。そういったものを犠牲にして維持する結婚も家族も組織も企業も国家も、いずれツケが自分に還ってきて破綻するに違いない。だから、オトナであっても「何かヘンだな~」と思ったら思い切って「...王様は裸じゃないか?」と言ってみたらいいのだ。「自分も、王様は裸だと思ってたんだよね~」と皆が言い出すかも知れない。





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Last updated  2012.03.03 10:41:08
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 郡山ハルジ@ Re[1]:飲尿備忘録(09/25) エンジェル フェイスさんへ 飲尿は5ヶ月…
 エンジェル フェイス@ Re:飲尿備忘録(09/25) 飲尿するなんてすごいです。 実は私も数年…
 郡山ハルジ@ Re[1]:Gerhard Richter(08/18) 放浪の達人さんへ 日記では触れませんでし…
 放浪の達人@ Re:Gerhard Richter(08/18) youtubeでGerhard Richterの展覧会動画が…
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