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カテゴリ:たわごと・仕事・愚痴
これから日本で生活を始める上で電話番号が無いと何も始まらないので先日妻と一緒に電器店に行っていわゆるケータイと呼ばれる携帯電話を買った。これが、たったの1円。日本に向こう2年くらい居る予定だったので2年契約したら、何万円かするケータイをたった1円で売ってくれたのである。ホントにいいのだろうか。まあ2年契約すれば電話会社も元をとれるという計算なんだろうけど、オレみたいに最低限しかケータイを使わない人間だと契約しても永遠に元はとれないのではないか(笑)。
妻はいわゆるスマホと呼ばれる4万円くらいするスマートフォンを買ったが、スマホの中にも2年契約で1円で売ってくれるものがあった。どうせだったらオレも1円スマホにすればいいのにと妻は言ったが、スマホはケータイと違って電話を使用しなくとも「パケット通信料」とやらが掛かるので、最低限しか使わなくとも余分なカネが取られるので却下した。 というか、電話とメール以外の用途がないごくシンプルな旧式の携帯電話を使っているオレには、俗にガラケーと呼ばれる日本独自のガラパゴス・ケータイを使いこなさないうちにスマホなど持たされてもネコに小判、豚に真珠である。 そんなわけで日本だと7~8年以上前に流行ったようなガラケーをオレは使い始めたのであるが、慣れなくて大変である。たとえば、電話の着信音が鳴る。慌ててあちこちのポケットを探ってケータイを取り出す。それまでカナダで使っていた携帯電話であればそのまま話せたものを、ガラケーは2つ折りになっているのでケータイの「フタ」を開けるボタンを探し出さなければならない。ケータイを転がして四辺のカドをチェックし、ようやく最後のカドに見つけ出したボタンを押したらフタが飛び開いて手の中から飛び出し、オーマイゴッドと床の上から慌てて拾い上げる頃には電話が切れている。たかが電話を受けるだけでこれだけの騒ぎである。 今度はいわゆるケータイ・メールを送信するためにメニューから「新規メール作成」を選択するが、たった2つか3つくらいしか登録していない送信先を選ぶのに「ふりがな検索」だの「アドレス検索」だの「グループ検索」だのいちいち検索方法を指定しなければならない。パソコンであればメールアドレスを直接入力しようとすると自動的に頻繁に使用する送信先を指定してくれたものだが、そんな自動入力機能はケータイにはないらしい。 ようやく送信先を選んで本文を記入しようとするが、入力方法には「ローマ字入力」がなくひらがな入力一本である。たとえば「特別」の2文字を記入するのに、ローマ字入力であれば「tokubetu」の8つのキイを連続して入力すれば一発で「特別」と変換できるが、ひらがな入力だと「た行」を5回押して「と」を選択し、「か行」を3回押して「く」を選択し、「は行」を4回押してさらに濁点を選択肢し「とくべ」と入力した時点でようやく変換の選択肢に「特別」の文字が現れ、それを変換の選択肢の中から選択するまでに倍くらいの回数だけキイを押さなければならない。なんて面倒なのだろう。 また、たとえば「ささいな」などのように同じ文字や、「さしずめ」などのように同じ行の文字が連続する場合、「ささ」と入力しようと「さ行」ボタンを2度押すと「し」になってしまったり、「さし」と入力しようとして「さ」と入力した後に「さ行」ボタンを2回押したら「す」に変わってしまうのもイライラする。先日妻から「矢印」キイを使って次の文字に移動する術を教えてもらうまでは、一文字を入力するたびにいちいち「確定」ボタンを押して次の文字に移動していたので漢字変換することが出来ず、ケータイメールでは「些細な」も「書き方」もひらがなでしか書けないのであった。 いちばん苛立たしいのが入力した文字を修正するときだ。パソコンのローマ字入力であれば修正したい文字の後でバックスペースキイを押せばよいが、ケータイの小さなキイだと「クリア」を押すつもりでうっかりその右にある「ホールド」のキイを押してしまい、それまで記入したメールが一発でパーになってしまうことがよくある。おかげでケータイメールを一から書き直すハメになり、「サノバビッチ!」と叫んでしまったことがこれまで何回あったことか。 iモードとやらもよく分からない。iPadを持ち歩いているのでケータイでネットをすることはまずないのだが、ときどきどっかから送られてくるメールをクリックすると勝手にiモードに転送されて、毎回「携帯電話の製造番号を送信します」とかいうメッセージが出てくるとビビってしまって毎回反射的に通信を切断したくなってしまう(笑)。いつも妻に「これって『はい』を選択しても大丈夫だよね?」と確認してからでないと怖くてiモードも使えない。 日本では相変わらず道を歩いていると反対方向から歩いてくる人間の3分の1くらいが、電車に乗っていると2人に1人くらいがケータイをいじっているようだが、そんなわけでオレはいまだにカナダにいたときと同様ガラゲーさえ使いこなせず、だいたいいつもマナーモードにしたままただポケットに突っ込んでいる状態である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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