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カテゴリ:たわごと・仕事・愚痴
シンガポールで風邪を引いた。屋内が寒すぎるのだ。屋外が摂氏30度を超えているのに屋内の室温は20度。下着にじっとりと汗が浸み込んだ状態でギンギンにクーラーが効いた屋内に入ると一気に汗が冷えて身体も冷える。おまけに身体が冷えてしまうと汗が蒸発せず、水に濡れた衣類をずっと身に付けた状態で一日を過ごすことになる。地元の人や日本からの出張者もこんな環境で平気な顔で過ごしているのが、日頃滅多にクーラーを使うことのないオレには信じられない。 もともと香港から10日ぶりに日本に帰って1日休んだだけでまた飛ばされた常夏のシンガポールである。25℃前後の香港から10~15℃の日本に戻って間もなく常時30℃の世界に飛ばされ、でも室内は20℃という環境の激変に身体がオカシくなるのも無理もない。 香港でも屋内は寒かったが、少なくとも出張者用のオフィスはエアコンを止めてもらっていた。それに屋内と屋外の気温差もせいぜい3~5度程度だからショックも少なかった。シンガポールはこの差が10度以上ある。オレは屋内ではウールのカーディガンを常用しているが、現地社員は一日中ノースリーブのワンピースで過ごしていて、これでも暑いくらいだとか言う。いつもこれ以上にクーラーの利いた部屋で過ごしているのだ。 南国でここまで室温を下げる必要性があるのか疑問なのだが、なにせ南国では室温が低いほど贅沢でおもてなしのレベルが高いという昔からの偏見があるようで、ギンギンに利かせたクーラーというのはいわばステータスの象徴なのである。そういう環境に生まれ育った人たちにオレがいくら寒い寒いと不平を言ってもどうしようもない。とにかく常にカーディガンを持ち歩き、屋内に入ったらすかさずこれを羽織って身を守るほかない。 シンガポールはどこもかしこもコンクリートだらけで、さっぱり南国にいる気がしない。まあ香港もそうだったが、まだホテルのそばに九龍公園があって、スパニッシュモスとかが生えた南国風の大木が生い茂っていた。シンガポールでは仕事場まで電車で通っているが、開発されていない荒地の前を一瞬だけ通ることがあり、いかにも熱帯らしい力強く成長した樹木の姿を見るとちょっとだけほっとする。 まあ日本と同じで資源に乏しい小国が生き残るためには熱帯の痕跡を消して開発しまくり人工物で多い尽くすほかなかったのかも知れないが、こんな自然と切り離された環境での生活は心身に良くないような気がする。国民は温厚で知的で大人しいが、心身ともにカナダに適応してしまったオレにはシンガポールは2週間が限界だなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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