断熱性能基準値は13年前とほぼ同じ・・・24年省エネ基準
おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝も川辺町はマイナス4度まだまだ寒い日が続きます。さて、H24年の省エネ基準が発表されてます。平成11年の次世代省エネ基準から13年主な変更点はQ値からUA値への評価方法の変更一次エネルギー消費量に基準が設けられたこと冷房期の平均日射熱取得率に基準が設けられたことなど内容的には半歩前進といったところでしょうか。ところで世界の住宅の性能の流れはどのようになっているのでしょうか。住宅でのエネルギー消費を考える場合、ドイツのパッシブハウスの基準は将来の住宅のエネルギー消費のあるべき方向を示しています。 ドイツやEUではエネルギーパスといって住宅が1年間に必要とするエネルギー(暖房、冷房、給湯、照明etc)を表示する事が義務付けられています。例えばドイツの家庭での年間エネルギー消費の目標量は、 1984年以前 370kWh/m21995年 160kWh/m2 2002年から 140kWh/m2 パッシブハウスの基準 120KWh/m2 2020年目標(7年後!) 40KWh/m2 という具合です。これはどういう意味かと言うと1984年以前の住宅で一年間快適な室温で過ごそうとした場合家の大きさを100m2とすると100m2×370kWh/m2=37000kWhのエネルギーが必要な家COP3のエアコンを使うと37000kWh/3×22円=271.000円かかる家ということになります。(給湯、照明も入っています)上の計算式に当てはめるとパッシブハウスで88.000円/年7年後の2020年は29.333円/年で過ごせる家がドイツの基準となります。さて、皆さんのご自宅はどうでしょう95年頃(18年前)に建てられた家4人家族月の電気代が平均13.000×12=156.000灯油代が一冬5万円ガス代が年間6万円合計266.000円でもこれは家全体ではなく局所暖房全室にすれば灯油代は恐らく倍+6万円で326.000円/年といったところでしょうか。逆算するとエネルギーパスは444kWh/m2の家このようにEUではエネルギーパスと言うものさしで新築住宅の性能が国の基準で定められているわけで、(中古住宅も売買の時に表示されます)家を購入しようとする人にはとても分かり易い制度エネルギーパスの数値を比較してみれば暖かい家かそうでない家か子供でもわかります。さて、今回の省エネ基準の改正家から逃げていく熱を床面積で割るか外皮の表面積で割るかという問題正確性、公平性という観点では外皮の表面積で割るほうがいい、しかし現実には,床面積で割るのほうが生活感としてはピッタリ来て計算しやすい。最終的にはQ値であれ、UA値であれ今後何が基準になっていくかということを考えるとエネルギーパスという制度を日本で普及させていくという前提であればEUやドイツを意識せざるを得ない。様々な尺度を国際的に統一するのは困難でも国際基準を意識した製品とか基準統一をしなければいくら性能が良くて、正確でもガラ携と同じー次エネルギー消費量に基準が設けられるなど前進もありましたがUA値に名前が変わった断熱性能基準性能レベルは平成11年の次世代省エネ基準とほぼ同じという情けない数値ところで今、我々百年の家プロジェクトが目指しているのは年間冷暖房光熱費を12万円以下に抑える暮らしこれは既に射程に入っているので更にその先を目指すことになりそうです。国の基準が変わっても誰のための家なのかそこで生涯を暮らす人の立場で考えなければなりません。