ホントは大改革が始まってる住宅 2
おはようございます、紙太材木店の田原です。冬らしく日中でも寒い日が続きます。昨日は長期優良住宅化リフォームの説明会に行ってきました。今年度の補正予算で20億、来年度の予算でも30億が組まれる予定です。消費税対策のすまい給付金と合わせると相当な予算規模になりそうですが詳細はまた後日お話します。さて、前回の続き「低炭素社会に向けた住まいと住まい方の推進に関する工程表」実は1年以上前に出ていて更にその実質的な議論やすり合わせはもっと以前にさかのぼります。スマートハウスやHEMS、ゼロエネ住宅などという聞きなれない言葉が出てきた時期と相前後します。そして、昨年にはそれに合わせるように省エネ基準が改正されました。同時期、ヤマダ電気のような家電量販店も住宅業界に参入してます。3.11を境に国の方針はエネルギーを極力使わない住宅を求めることになりました。それには、太陽光パネル、高効率な設備機器(エアコン、蓄電池、給湯器etc)が一番即効性があります。更にそれらのエネルギー消費が目に見えるようにHEMSなどというシステムも開発されていてそのような住宅の総称としてスマートハウスがあります。ところで、住宅の基本的な性能として断熱性が求められることは多くの方に同意していただけると思います。もちろん、換気や気密も大事ですが話が広がってしまうのでここでは断熱性について話します。上の話で住宅の暖房エネルギー消費を極力減らすにはいくつかの方法がありますが大きく分けると二つです。A一つは家の断熱性を上げること断熱材を厚くしたり、サッシの性能を上げて逃げていく熱を少なくする方法こうすれば性能が良くなりますから実際の消費も減ります。Bもう一つは効率の良い設備機器を使うことで太陽光パネルも含まれます消費する量は少ししか減りませんがパネルを使うので見かけの上では減ったように見えます。暖房用エネルギー消費を抑える予算が200万円だとしてA,B二つのどちらに使うかAであれば、住宅の断熱性能が上がります。その結果、従来の設備機器でも稼働時間が少なくなって消費エネルギーは減らせます。Bは断熱性能は元のままですが設備機器の効率が上がり、パネルも使いますからこれも消費エネルギーが減らせます。AでもBでもどちらでも消費エネルギーは減らせますが国はBを考えているようです。なぜなら、AよりBの方が即効性、景気対策、消費税対策になるからです。設備業界、大手住宅メーカー、家電量販店ではいまやスマートハウスやHEMSで持ちきりです。断熱性についてもそこそこででいいのでいろんな業種が参入してきてます。そこそこの(次世代省エネ程度)性能の家に過大な設備機器を載せれば低炭素住宅になります。但し、サッシは今まであまりにお粗末だったのでAを選んでもBを選んでもサッシだけは変える必要がありますそこで、大手サッシメーカーがようやく高性能なサッシを出し始めました。さて200万円の予算Aに使うかBに使うかは自由ですがドイツを初めとするEUはAです。国の政策としてA残念ながら日本は今のところBです。業界や利益団体、官僚や派閥、政党に左右される国の政策ではなく自分自身のものさしで200万円をどう使うか判断しなければなりません。AでもBでもゼロエネは達成できます。(住宅の見かけ上のエネルギー消費をゼロにすることどちらもパネルは使わざるを得ない)ゼロエネ達成バンザイ!でも健康性の観点から見ましょう。Bの家ゼロエネは達成しても相変わらず家の中の温度差があります。廊下に出れば寒いトイレや脱衣室も次世代省エネ基準程度の家と変りがありません。足元が寒くスリッパは必需品で結露もします。ゼロエネなんだから廊下やトイレやお風呂や脱衣室に暖房機を置けばいい?いえ、家中で暖房すれば消費エネルギーが大きすぎてゼロではなくなってしまいます。Aの家居間に暖房機をひとつ置いておけば家中同じ暖かさです。もちろんトイレもお風呂も脱衣室も子供室も現在は国の政策で住宅では設備を使っての省エネが第一になってしまってガラケイと同じく日本だけの我が道を行くです。でも世界の趨勢はAで家の躯体性能を上げての省エネ同じ省エネですが健康的なのは言うまでもありません。家族の健康、自身の資産を考えればこれから50年住む家の仕様や性能は設備機器に頼るわけにはいきません。時の流れで今はB派が優勢ですがそれがいつまでも続くとは思えません。省エネ性と健康性優先度は健康性にあります。北海道では国の動きとは別に独自の基準で動き始めてます。平成25年度札幌版次世代住宅のパンフレットより