断熱性の良い家は夏は暑いのか?
おはようございます、紙太材木店の田原です。3週間前まではマイナス4.5度というとっても寒い朝だったのに今朝は10度日中も20度近くの陽気で、車の運転中には時々エアコンを入れなければなりません(窓を開けれればいいのですが花粉対策です・・・)さて、もうエアコンの季節です。断熱性能や気密性能の良い家を作っていると冬は良くても夏は暑そうなんて言われてしまうことが間々あります。住宅初心者の方や自然素材派の方に多いのですが少し解説します。建売住宅のように全く同じ形で横並びに2棟の家が建っていて一つの家の断熱性が片方の家の半分しかないと仮定すると夏はどちらが暑いかといえば当然断熱性のよりある方。冬はどちらが寒いかといえば当然断熱性のより少ない方になります。断熱性が高いと一度室内に取り込んだ熱を逃さないわけですから、ある条件の下では当然そうなります。そーらごらん断熱性が高いと暑いのよ!確かにでも窓開けりゃ同じ・・・・暑いのに窓を閉めてる人はいないで窓を閉めてエアコンのスイッチを入れるわけですがここである数値が参考になります。夏期日射取得係数(μ値)夏の間、住宅に入る日射がどれだけのものか判断するためのものでどんな家でも夏の日射取得が多い住宅では、冷房費が嵩んでしまって省エネにはなりません。西日に代表される直射日光が室内にふんだんに入ってくればどんな家を建てても暑くなってしまいます。つまり直射日光が入らない工夫が大事ということです。ある条件とは何も日射を遮る工夫をしないことと通風を考えなければ、という意味です。ここでは通風は別にします。直射日光を室内に入れない工夫がしてある住宅であれば断熱性の高い住宅のほうがより少ないエネルギーで夏を快適に過ごせることになります。一旦冷房をかければその効果が長く続くわけですから。逆に断熱性が高いのに日射を防ぐ工夫がしてなければより暑い住宅になってしまいます。日射のエネルギーは相当なものだからです。さて最近はご自分で冷房負荷なんぞも計算される方もみえますがご注意頂きたいのは冷房期間多くの計算ソフトでは次世代省エネ基準のルールに基づいて1年を暖房期間18度と冷房期間27度の二つにだけに分けて計算します。つまり暖房期間以外は全て冷房期間になるわけで5月、10月は冷房機期間。その時期でも窓を閉め切っていれば27度以上になりますから冷房負荷の対象になります。でも、実際はそんなことはなく窓を開けてるわけですから優れたソフトでも常識で考える必要があります。さもないと計算上は断熱性の良い家の冷房負荷が多いということになってしまいます。こう考えると住む家の温熱環境は冬は圧倒的に断熱の良い家に軍配が上がりますし、夏でも自然派の方のように通風だけしかしないのなら両者同じ一般的には冷房はエアコンを使いますから日射対策を取れば断熱の良い家が有利です。エコ住宅Q1.0-X BOOK 2012年版冬の健康性を考えれば答えは自ずと決まります。