古い家の床下
おはようございます、紙太材木店の田原です。週末は茅葺き屋根の家の詳細調査床下や小屋裏へ入って架橋構造を調査します。簡単に言うと家の骨組みの調査古い家は建築当初は骨組みが見えている場合が多いのですがその後の改修やリフォームで壁や天井が貼り付けられてわからなくなってる場合が多く再生プランを作るためには構造調査は必須項目というわけで縁の下気持ちのいいぐらい何もありませんね。こちらの写真も何もないというのは現代の建物の床下であれば家を支えるための基礎コンクリートがあって床下全部をひと目で見回すことなどできませんがご覧のように建物の外周に土台と荒壁の基礎があるだけで内部は全て束で床を支えています。屋根の重さは二本の大黒柱と外回りの柱や壁が受けている構造になっています。さて、写真を見ていただくと床を支えて玉石の上に立っている束がありますがどの束も下から何かシミて濡れてるような痕があります。これは結露によるものお寺の本堂の床下も同じような構造ですが大抵結露してシミの痕があります。湿り空気線図を読むとご理解いただけますが34度で湿度75%空気は29度で結露します。広い面積で直射日光の当たらない床下は地熱の影響で温度は28度程度このような状況では結露するのは普通のことです。シロアリの被害も見受けられます。面白いことに地面に立っている束は食べていません。ぼそぼそにみえますが芯付きの丸太ですから食べられているのは周辺だけでまだ芯が残って床を支えています。被害はこの一本と大黒柱ヤマトシロアリですからこのコロニーは既にどこかに行ってしまったか消滅しています。大黒柱は根元から補修がしてありました。傷んだところはカットしてコンクリートで嵩上げしてあります。玉石に乗っている根元のところが被害にあったようです。ご主人にお聞きすると30年ほど前に土間の玄関を改装した時に直したとのこと。シロアリ対策用の薬剤散布はしていないということで床下には30分以上いましたが倦怠感も疲労感もありません、薬剤散布してある床下には5分もいられませんから極めて健全な床下であります。蟻害を心配される方もいますがシロアリの入りにくい構造、定期的な点検万が一蟻害にあった時はその部分の補修ということでいいのではないでしょうか。昔の人はそれでやってきていますし古い家が蟻害で倒れたということは聞いたことがありません。それでも心配な方は最近は防蟻用の薬剤も随分進化していますのでそちらを検討されてもいいと思います。間違っても床下全面薬剤散布などされないことをおすすめします。ということで本日は茅葺き屋根の家の床下調査報告でした。