効率の良い最適エアコンの選び方
おはようございます、紙太材木店の田原です。うだるような暑さが続いています。さて、本日はエアコン冷房の話一般の方にもできるだけわかり易くお話するつもりですからご専門の方のツッコミはご容赦ください(^_^)今は亡きQ値(日本での話)床面積1m2あたり家の外と中で1度の温度差があるとき何Wのエネルギーが逃げていくかを示したもの。これがわかると高性能な家ではエアコンの機種選びが計算でできます。一般の方のエアコン選びはここは10畳の部屋だからカタログに8~10畳用とあるからこれにしようか子供室や寝室は一番小さい6畳用でいいねLDKは18畳もあるから12畳用のエアコンとファンヒーターね。でも冷房はどうしようか・・・・となって、家電量販店の担当やHMの営業さんと相談することになりますがこれはまぁ勘で選んでいるようなもの。数値的な根拠はカタログに記載のお勧め畳数Q値で出してみましょう。Q値が2.7で美濃地方の現在の基準の家の場合暖房時、30坪(99m2)の家で室内気温20度、外は0度の場合2.7w×99m2×20度で5346w5346wと言うのは20度を維持するのに5.34kwhのエネルギーが必要なことを表します。エアコンのカタログを見ると例えば6畳用のエアコンなら定格能力2.2kw 消費電力600wなどと記載してあります。このエアコン1台で2.2kwのエネルギーを生み出しているわけでそうすると5.34kw必要なのだから5.34を2.2で割って2.42台、つまり3台のエアコンがあれば外が0度でも20度を維持できることを表しています。もちろん、16畳用のエアコンであれば定格能力が6kwほどありますから1台でOKとなります。6kwの電気代が1時間にかかって1kwの電気代を25円とすると25円×6kwで150円6時間では900円1ヶ月では27000円?というわけではありません。先ほど定格能力で2.2kw消費電力600wと言いました。つまり2.2kwのエネルギーを出すのに600w必要ということになりますから6kwなら1.63kwの消費電力で済みます。計算は1.63x25x6hで244円1ヶ月で7335円?実際は設定された温度になればエアコンは送風に切り替わります、また美濃地方で朝から晩まで外が0度と言うのはほとんどありません。1月の平均気温が5度とすれば温度差は20度ではなく15度です。このようなことを加味していくと恐らく5割から6割程度と推測できます。では、冷房は?暖房時の温度差は室温20度で外は0度これで20度の温度差ですが冷房時は外が33度で室内は28度温度差は5度あれれれ?ということはエアコンの冷房は5度下げるだけ冬の暖房は15度から20度も上げなくてはいけなかったのに比べてたったの5度つまりひょっとしてそうなんです、室内を快適温度帯にするのに必要なエネルギーは暖房に比べて冷房の方が少なくて済みます。日射の影響もありますから60%~70%程度でしょうか。つまり同じ時間エアコンを稼働させていてもエアコンに掛かる負担は暖房より冷房の方が圧倒的に少ないわけです。しかも使用する期間と一日あたりの時間は少ないですからかなりの時間を使っても暖房代ほどにはなりません。実際に家庭で年間に使うエネルギーの2%程度しか冷房には使われていません。ここでもう一つ先ほどCOPという言葉が出ましたが現在ではAPFが主流です。簡単に言えばエアコンの能力数字が大きいほど成績優秀アバウトに言えば消費するエネルギーの何倍のエネルギーが得られるかを表したものです。エアコンにはいろんな機種があって6畳用であれば定格能力2.2Kw8畳用で同2.5kw・・・・・・・・20畳用で同6kwというように大きくなれば能力も高くなっていきますが実は小さいほどより高いCOPを出す傾向があります。つまり小さいほどエアコンの燃費がよく容量が大きくなればなるほど、COPは低下していきます。これを覚えておいてください。更にその機種の最も高いCOPを出すときの負荷率はどのくらいの時か?これはわかりにくい表現ですね、車で言えばガソリン1Lで30km走るのは速度が50キロの時なのか80キロなのか100キロなのか当然それぞれ違っているわけでエアコンの負荷率も同じことです。つまりそのエアコンの50%で動いている時か80%か100%どれくらいの負荷率の時に最高のCOPを出すか・こちらに熊本大学の論文があります。これによると暖房時は50%の負担率の時に最高のCOPが得られ冷房時は100%の負担率の時に最高のCOPが得られるとわかります。このことからわかるのは冬の暖房をメインに考えると夏の冷房時には能力が過大で効率は悪くなることを示しています。夏の冷房をメインに考えると冬の暖房時には負荷率が高くなって効率が落ちます。さて、どうしたらいいのかというと小さなエアコンを2~3台取り付け冬は複数台稼働させ1台あたりの負担率を小さくし夏は1台あるいは2台でめいっぱい働いてもらう但し性能の良い家でないと上の理論は通用しません今の25年省エネ基準程度では絵に書いた餅となります。先ずすることは建物の高断熱化と日射の遮蔽と取得を考えることにつきます。参考までに松尾和也さんの計算式をのせます定格暖房能力(W): 床面積xQ値x(23度-冬の最低気温)-4.6x床面積連続運転でなければこれに1.7を掛けるこれでその家の必要な定格暖房能力がわかります。Q値が1で30坪の家なら99m2x1x(23--5)-4.6x99m2答えは2316wつまり2.3kwの定価能力のエアコン1台となります。