本音のエコハウス 鎌田紀彦著
おはようございます、紙太材木店の田原です。台風一過の気持ちのいい朝です。今まではあまりの暑さに蚊がそれほどいませんでしたが今朝は窓やドアを開けて涼んでいると蚊が入って来ます。残念なことに事務所の窓やドアには網戸がありませんから涼風で蚊を取るか閉め切ってエアコンを取るか一歩譲って涼風+蚊+蚊取り線香か悩むところです。「本音のエコハウス」が送られてきました。鎌田紀彦先生の新著でこれまで建築知識ビルダーズに書かれたものがまとめてあります。建築知識ビルダーズのように本に掲載された記事は、付箋などをつけておいてもあの記事は何月号だったのかなどと探さなければなりませんでしたが、一冊の本にまとめてあると読者として探す手間が省けて楽ちん。今回の本は一般の方にはあまりお勧めで来ませんが(住宅検討者 上中級者向き)実務者には必読の書でしょうか。鎌田先生は現在新住協の代表理事をされてますが数年前に国立の室蘭工業大学を退官されてからはフリーの身。現在のZEHの制度についてもご自由に発言されています。現在のZEHは言ってみれば国策で推進されていますが問題がないわけではありません。ZEHはゼロエネルギーハウスの略語ですが簡単に言えばエネルギーゼロの家と解釈できますし多くの方はそう思っています。しかし実際は家庭電化製品に使うエネルギーつまり、TVやラジオ、ドライヤー、洗濯機、乾燥機、食洗機、電気ポット、パソコンなどで使うエネルギーは除外されていますし、調理に使うエネルギー(IH、ガス、炊飯器等)も省かれています。それらを除いてのZEH(ゼロエネルギーハウス)であることを忘れてはいけません。単に十年間の高額買取で電気代がプラスになっていても10年後、買取金額が10円以下になったらたちまちまた電気代を払うZEHの家が相当数出てきます。多くのZEHの家では建てる時にそんなことまでは計算していません。ご本人も10年後は蓄電池入れれば大丈夫と高を括っているかもしれませんが、実際はZEHで建てたのにZEHじゃなくなったという悲喜劇が起こるでしょう。新住協ではReal ZEHと言って家電や調理に使うエネルギーも含めて本当のネットゼロエネルギーハウスをリアルゼッチと言い目指しています。現行の省エネ基準の家の消費エネルギーの25%ほどにするとそれは十分可能です。アメリカではZEH Readyと言って太陽光パネルを搭載しなくてもパネルを搭載しさえすればZEHになる家をそのように呼び認定しています。とても合理的な考えだと思います。日本のように官が国策として補助金をぶらさげて強引に誘導するというのもアリかもしれませんが、美味しい話の裏にはそんな時は何かあるんじゃないかと眉に唾を付ける必要があります。ZEHの補助金制度まだ数年は続くと思われますが年々補助額は下がっています。10%の消費税も視野に入ってきましたが冷静に判断する必要があります。