気候風土適応住宅 石場建て、土壁、手刻みの家の見学
おはようございます、紙太材木店の田原です。今日で10月も最後今年もあと60日で終わります。昨夜は夕方から冷えてきましたから事務所に帰ると薪ストーブが焚かれてました。昨日はぎふ木造塾で石場建ての住まいの見学と講義写真は床下で全面コンクリートが打たれ所々に束石があってそこに床を支える束が立っています。その束が建物全体の荷重を受けていますが木の束は石の上に乗っているだけです。床下には一般的な基礎がないように見えますが地中梁と言って地面の中に向かってコンクリートの梁があります。束石もとても薄いように見えますがコンクリートの中に埋め込んであるだけで本体はかなり大きなものです。一般的な住宅は基礎コンクリートと上部の木造部分の土台で緊結つまりコンクリートに埋め込んだボルトで固定してありますがこの建物は乗ってるだけなので大きな地震が来た時にはズレます。先般の熊本地震では60cmほどずれた建物を元に戻したとかお寺の本堂のように床下を覗くと反対側まで見通せます。壁は土壁で、耐震性は限界体力計算で担保されています。2020年に省エネ基準が義務化されますがそうなると土壁の建物に代表される伝統的な建物が建てられなくなるということで気候風土適応住宅という制度ができました。この住宅もその制度で造られています。つまり伝統的な手法の建物を丁寧に作る場合は外皮の基準を適用しませんと言うことです。省エネ性は悪くなるけどそれは住む方の選択に任せるということで省エネ一辺倒の経産省に国交省がその役割を果たしたというべきかもしれません。気候風土適応住宅の認定のガイドラインが日本サスティナブル建築協会から出ています。石場建ての土壁の家で大工さんの手作りの家と言うのもこれからの時代の一つの選択肢かもしれません。