断熱は暑さに効く
屋根の断熱材 厚さ105mmx3層=315mm 可児の家おはようございます、紙太材木店の田原です。この暑さ、ビールが毎日美味しく飲めるのは嬉しいのですが夜まで我慢しなければなりませんからそれはそれで一つの修行かもしれません。さて、断熱が暑さを緩和するのに有効だと理解している日本人はあまりいませんので、そのお話です。真夏に毛皮のコートなんて着たら暑いに決まってるやん。家の断熱材を厚くするっていうのは真夏に毛皮のコート着るのと同じ事やんか。こんなことを言われると、「ごもっともでございます。確かに夏に毛皮着てたら暑いんやから真夏に断熱なんて厚くしたら日本の夏は過ごせません。日本の住まいは夏を旨とすべし風通しのいい家、エアコンの要らない家が基本だ!」と言う人がかな~りいます。断熱材はその言葉通り熱の移動を遮断(遅らせる)する材料の事。熱は必ず高いほうから低いほうに移動します。冬は毛皮の中は体温36度で、毛皮の外は0度。毛皮が熱が体の外側に移動していくのを防いでいます。ですから体は暖かいわけです。では夏は?夏は毛皮の中はエアコンで冷やされて28度。毛皮(断熱材)の外は36度。36度の熱が毛皮の中に(室内)に入ってくるのを防いでくれます。冬も夏も全く同じ原理で熱の移動を防いでくれるのが断熱材で、熱は必ず高いほうから低いほうに移動するというところがミソです。この簡単な物理の法則を思い出さないと、「エアコンを使わない通風で過ごせる家」なるものに目が行ってしまうことになります。夏、住まいで一番暑いのは屋根です。ガルバリウムの屋根を最近よく見かけますがその屋根なら目玉焼きができます。その屋根の熱を防ぐために断熱材が必要なのはお分かりいただけると思いますが省エネ基準では壁よりも屋根の断熱材のほうが厚く規定されています。そうですよね、直射日光がまともに当たるのは壁よりも屋根ですから。なぜ2階は1階よりも暑いのか?残念ながら日本の今までの基準では屋根の断熱材が薄いんです…強烈な日光にさらされているのに断熱材が薄いのは致命的です。16KのHGWで最低でも25センチ出来れば30センチ欲を言えば40センチ日本の夏、経済的にも肉体的にも快適に過ごすにはきちんとした温熱計算が必要です。そうでなかった時代に建てられた家に住んでいる方が大半ですから自分の経験から「2階なんてエアコンしてても全然涼しくない」と思ってしまいますがそれは単に断熱材の厚さが不足していただけのことです。きちんと計算された家であれば真夏の真昼にロフトでお昼寝ができます。日射や輻射を入れると話の焦点がぼけるので今回は断熱です。