古い民家のシロアリ調査
おはようございます、紙太材木店の田原です。晴天の美濃地方今朝は2度でかなり冷え込んでいます。毎日掃いても落ち葉はご覧のありさまです。ケヤキの葉は残り3割ほどですがエノキはようやく始まったところです。さて、昨日は100年ほど前に建てられた住まいのシロアリ調査丸太梁にもう一方の梁が乗ってますがそこが一部、白くなっていることから住まい手が気づかれました。接合部を拡大してみるとこんな具合です。桧の直上は2階の壁で丸太梁でその荷重を受けています。本来なら柱が来るところですが開口部になっているので柱が建てられず丸太梁で受けていて更にその下に差し鴨居を入れて二段構えで荷重を受けています。ここまでするのは2階に屋根の荷重を受ける梁がこの丸太貼りと並行して取り付けてあるからです。調査は岡崎シロアリ技研の神谷さんと行いました。神谷さんによると被害の状況から判断すると蟻害は10年以上前のもので現在はシロアリはいないということでした。大きな家ですのでその他の床下も見てもらうとケヤキの大黒柱の根本も蟻害を受けた痕があるがそこも既にシロアリは消えている状況で今のところこの家で活動しているシロアリはいないとのこと。さて、問題は被害を受けている梁大きな家で一昔前であれば毎年の大掃除の時には近隣の人にも手伝ってもらい畳を全部上げて、梁や桁まで雑巾で拭いていたのが今では畳の部屋のいくつかはフローリングになり床下を簡単に見ることはできなくなってます。近隣の人に手伝ってもらっての大掃除も今では考えられません。住んでいるのも3人だけですから広く暗い家では蟻害にあってもなかなか気づきません。松の丸太は材としての粘りはありますが蟻害には弱く表面的にはそれほど被害が無いように見えますが端から端まで相当部分傷んでいます。桧の梁も30センチほどの梁背がありますが下部10センチほどは被害を受けていて残りの20センチで荷重を支えている状況です。丸太梁の下の差し鴨居は健全であることや桧梁の残りの20センチ丸太梁の芯材が荷重を支えているようです。古く大きな家ですので補修工事は大工さんも交えどのように進めるか慎重に検討する必要があります。今回のような大きな家では家中に目を配ることは難しいので被害が大きくなってますが一般の住宅でも被害は出ます。薬剤で処理してあってもそこは食べずに処理していないところを食べますが大抵は造作材ですから被害が出ても簡単に交換できるものが大半です。最近の住宅の構造であればそれほどシロアリに対して神経質になる必要はありませんが相手は生物なので絶対はありません、頭の片隅には置いておく必要があります。