Ua値よりも分かり易い暖房費
おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は立冬、暦の上では冬…冬はもうすぐそこですが、気温の予想は24度。まだそれを気づかせないような小春日和な一日になりそうです。さて、前回、4日に開かれた3省合同会議に期待してるわけではないと書きましたが、国交省がHeat20のG2だけでなくG3までも性能表示制度の等級6と等級7に設定する案を出してきました。決まったわけではありませんからどうなるかわかりません。期待はせずに推移を見ていきますが国の基準がどうであれ、信じるところを進むのみです。方向としてはUa値が基準ということになりますが、Ua値はあくまで外皮からの熱損失だけを表します。Ua値をよくしようとすれば窓を小さくするのが一番簡単な方法です。壁から逃げていく熱(サッシに比べれば随分厚さがあります)と、サッシのガラスや枠から逃げていく熱。壁と窓を比べてみれば同じ面積なら窓から逃げていく熱の方が多いわけです。じゃあ、サッシを小さくしましょうとなりがちです。窓を大きくすればUa値は悪くなって、G2,G3にはなりませんとかサッシが大きくなれば金額も上がりますとかガラス拭きも大変割れたら修理代もかかりますUa値がよくなれば家から逃げていく熱が少ないわけでそれだけ暖かいんですとかこんなことを担当者から言われれば、そうだよね、となりがちです。特に、あと一歩でG2とかあと数値が0.1よくなるとG3とかのケースでは、Ua値の誘惑がそっと近づいてきます。これから冬を迎えるわけですが暮らしい易さの一丁目一番地は暖かさ。Ua値がいいんだから暖かいんでしょ?確かに一つの指標ですが忘れていけないのはお日様年門用語で日射取得(にっしゃしゅとく)お日様が室内に差し込む家は暖かいわけで多くの方が経験しているはず。お日様を利用すると暖房代はかかりません。それを確認する専門用語は二つあって一つは暖房期平均日射熱取得率簡単に言うと、暖房期、つまり冬に家全体の日射の取得量を床面積で割ったもので数値が大きいほど日射の熱が侵入しやすい住まい。もう一つは自然温度差。住まいを何も暖房していない時、外の気温と室内の気温の差が何度あるかを示したもの。暖房してないのに温度差があるのは日射の熱と家電の待機電力、それにそこにいる人から出る熱があるから。つまり自然温度差が大きければ何もしなくても暖かい、あるいは少し暖房するだけで暖かくなるということになります。Ua値だけじゃ家の暖かさがわからないならどうすればいいか?一番簡単な方法は家中20度で暖房した時、一冬で暖房代はいくらかかる家か?これは日射熱取得率や自然温度差も関係してきますから、細かな専門用語を覚える必要はありません。HMのA社の家とB社の家どちらが暖かく過ごせるかUa値で比較ではなく暖房費で比較すれば簡単にわかります。Ua値がどうであれこれが暮らし易さに一番関係してきます。Ua値に比例して、暖房代が安くなるわけではありません。そこのところを確認してちゃんと答えられる担当者の家なら大丈夫ですが、やたらG2、G3、Ua値を振り回すようなら、眉に唾をつけて聞く必要があります。