空冷式の家
おはようございます、紙太材木店の田原です。朝から台風並みの強風が吹いている美濃地方。家は大正2年で築100年を越えていますからこれだけ強い風が吹くと、隙間から風が入ってきて家の中でも風を感じる事が出来ます。(ほとんどがサッシではなくガラス戸なので)もちろん、ビューとかゴーとかかなり強い風が吹いているのが家の中にいても聞こえるのです…これが気密がきちんととれている高断熱住宅だとほぼ分かりません。それらの音が聞こえないんですね。窓の外の木の枝が揺れているとか木の枝が地面に散乱している看板が倒れている田舎であれば近くの竹藪の竹が大きく揺れている視覚的に見ることができれば分かりますが、きちんとした性能の家でそれらに気づかず玄関ドアを開けるとびっくりすることになります。今気づいたのですが強風が吹いているけど雨模様。なので花粉は少ないはずなのに、鼻水やくしゃみが出るのはなぜが?外は少なくても、外から入ってきた風のせいで家の中に滞留していた花粉が舞いあげられたからと思われます。この話、築100年越えのサッシも入っていないような家だからだろうそう思われるかもしれませんが、実は違います。以前も少し触れましたがちょうど今、築30年程の○友林業の家のリフォーム工事をしています。リフォームの場合現地で打ち合わせになりますが1月、2月の寒い時期に現地の和室で打合せを行っていると、どこからともなく風が入ってくるのが分かります。単板ガラスのアルミサッシ壁には50ミリの袋入り断熱材天井も100ミリ床は25ミリほどのサニーライト但し、畳が敷いてあると床には断熱材はありません。(スタイロ畳なのでという理由と思われます)これは、普段から断熱改修を行っている工務店や設計者なら、すぐにわかります。壁の中に気流止めが無い事と、そもそも気密という概念が設計サイドにも施工サイドにも希薄だったこと。コンセントやスイッチプレートから冷気が室内に入ってくるのが分かります。北風が吹けばその風があたる北側の外壁の外側の気圧は高くなりますし、反対の南側の壁の外側の気圧は低くなります。間にある家の中では、それぞれの壁に隙間があれば北側の隙間からは室内に空気が押し込まれますし南側の隙間からは室内から空気が吸い取られます。気流止めがありませんから基礎の換気口から床下に入り込んだ空気は、外壁や間仕切りの壁の中を通って1階の天井裏に。更にまた気流止めの無い壁の中を通って小屋裏に抜けていきます。そして、小屋裏の換気口から外へ逃げていきます。ある意味、空冷式の家が出来上がっています。30年前でも一級建築士はいましたし、大手のHMもありました。カナダのR2000住宅も既に日本に入ってました。なのに空冷式の家…でも、なぜだか当時の大半の家はあのレベル。残念ながら、今でも30年前とほとんど変わらない家が毛の生えた程度の家が建てられているのが日本の現実です。今までのやり方を変えるのが面倒客がそんなことを望んでいない寝た子を起こすな間取りとデザインと価格家なんてこれで十分・・・結果は、何百万戸もの余った家。お祖父さんの土地建物がまだある実家である両親の土地建物もあるなのに新しく土地を買って、間取りとデザインと価格だけの家を建てる、買う。問題ははっきりしてます。上記の事は住まい手側の責任ではなく、工務店、HM、設計者つまり住宅業界の責任です。一口に住宅業界といっても大手から個人まで何万もあります。経営理念も違いますし、社長の考え方も同様です。どういう考えで住まいを設計しているか建てているか会社ごとに異なります。耐震、断熱、気密、換気が住宅の基本的な性能どんな考えの会社を選ぶかでほぼ全ての事は決まってしまいます。亡くなって久しいですが作家であり実業家でもあった邱永漢さんは長期投資を基本としてました。投資する時は、必ずその会社を訪ね社長の話を聞いて投資するかしないかを判断されたとか…これからの時代住まいもある意味投資です。工務店を訪ねた時、営業担当者や設計担当者ではなく社長と直接話をすることが大切です。どういう考えでその会社は家を建てているのかそれは社長次第なのですから。上記の基本的な性能一つ一つについて聞いていくと社長によって考え方はそれぞれ異なりますが、何人かに聞けば何が大事なのか凡その事は分かります。担当者ではなく社長と話すことが大切です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから