可変調湿シートから・・
おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は全館空調講座で豊橋でした。西紋建匠の西さんや夏見工務店の夏見さんとはKKBも一緒でしたし、お二人は翌日のMOKスクールも。MOKスクールは申し込みしていたのですが、こちらの宿題で手一杯で出席できず・・・さて、昨日の講座の中で森林文化アカデミーの辻充孝先生が最近出された「ぜんぶ絵でわかるエコハウス」が紹介されてました。実務者には結露計算ソフトでお世話になってる方も多いはず。先生の講義に出て宿題を提出すると、ご褒美に配布されるあれです。空調設計では顕熱だけでなく、潜熱つまり水蒸気の持っているエネルギーを無視できません。簡単に言うと、気温と湿度です。最近、夏型結露対策として利用が広がる可変調湿シート夏に壁の断熱材の中に溜まった水蒸気を室内側に通してくれるシートです。もちろん、冬には室内の水蒸気は通さず、気温と湿度がある一定以上になると通してくれるという優れモノです。新住協の理事でもある夢建築工房の岸野さんから2.3年ほど前にお聞きした話、「これを使うと、蒸し暑くなるんですよ」当然と言えば当然なのですが、水蒸気は蒸気分圧の高い方から低い方に流れます。冬は室内の方が高くなりますから壁の断熱材を通って外に移動しようとします。もちろん、移動すると断熱材の中で結露しますから、それを防止するために防湿シートが張られています。夏型結露対策で壁の中の水蒸気を逃がしてあげるその行き先はエアコンで除湿した室内なのですから当然、部屋の湿度は高くなるわけです。その時、どれだけ水蒸気が室内に入ってくるのか?それを知ることは、空調設計には欠かせません。と言うことで上に紹介した辻先生の結露計算ソフト。実は「ぜんぶ絵で見るエコハウス」を買うとオマケでダウンロードできます。それを使うと、どれだけ水蒸気が入ってくるか計算できます。因みに一般的なポリスチレンフォーム(0.2mm)で300m2の外壁からは一日当たり0.3L約300g入ってきます。可変調湿シートを使うと17.2L約57倍の水蒸気が入ってきます。エアコンで除湿しても除湿しても換気に加え、壁からも水蒸気が入ってくるということになります。断熱性能を上げ、気密もしっかり取り高性能にすればするほど、あちらを塞げばこちらこちらを塞げばあちらそんな具合に次々と課題が出てきます。断熱性能等級は6を越えたUa値は0.4以下だ気密は0.5を切ってるでも、蒸し暑い・・・高性能になればなるほど、住まいは水蒸気との戦いになります。ご興味のある方は辻先生の本を購入して結露計算ソフトで計算してみてください。水蒸気が入ってくることは分かっていてもどれだけ入ってくるかが分かりませんでしたが、このソフトを使うと数値として把握できますから後は対策です。高性能な住まいをお考えの方ほど、夏の湿度対策をきちんと理解しておく必要があります。透湿性のある断熱材を使う場合も同じです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから