南パタゴニアへようこそ (16)
テレビドラマのように気を引くために切っているわけではありません(笑)現場神業そのものがドラマチックであり演じている私たちも台本を当日渡されるようなものです。この旅行記は平成9年3月12日から3月26日までの15日間、かむなから6名で南米ボリビア、アルゼンチン、南パタゴニアを現場神業した記録です。朝ホテルを出ると、昨日までのマイクロバスではなく、頑丈そうななランクルが待っている。ガイドさん「今日は危険なのでベテランのドライバーに来てもらいました」おいおいどこへ行こうちゅうんだ?町の中心部からどんどん車は上へ登っていきます。途中で露天市場により買い物をするという。一緒に車から降りて付いていくと、なにやら「葉っぱ」を購入する。これが「コカ」であった。「コカ・マテ」麻薬「コカイン」の原料となる植物で、日本でも当然栽培も販売も禁止だ。これどうするのと聞くと、葉っぱをかじり、あなたもやれと言う。噛んでみた。にっが~い!それも半端な苦味ではない。現地の人も「高山病」で苦しむ時がある。そんな時はこれを噛むと楽になるので、薬として使っているという。脳の神経を麻痺させる作用がありそうだ。ボリビアでは高所に住む人のため、一部だけで生葉の販売が許可されている。当然国外に持ち出すことは厳禁で、注意しなければなりません。現地の人はこの葉をお茶で飲む習慣がありますが生葉を焙煎して熱処理するとコカインは抽出されませんのでこのスタイルのお茶だけは輸出が許されています」これが日本でも知られているインカの健康茶「マテ茶」です。まったく舗装されていない山道に入ります。ゆっくりゆっくり慎重に車は走ります。スリップでもしようものなら崖下に転落で、日本人観光客が事故に会ったってニュースになっちまう。そうここはあの有名なアンデス高地の「インカ道」だったのです。霧が出始めました。それも並大抵な濃さではありません。まったく見えないといっていいくらいの濃霧です。みんな必死に道路だけを見続けます。それでも時々すっと霧が薄くなり景色が現れます。道路の片側の山の斜面に大きな牛くらいの動物が10頭ほどいました。リャマはわかりましたが、知らない動物もいます。「アルパカ」ですよとガイドさんが教えてくれる。恥ずかしいけど、着るものにまったく興味の無い私は「アルパカ」を知らなかったのです。知ってたら、ちょっと毛をむしってきたものを。http://www.fenaboja.com/bolivia/bc/fotos_bolivia.htm子供たちは動物園以外でこんなおおきな動物が放し飼いになっているのを始めて見て、大興奮。近くで見たいと車を止め、群れの中へ入っていってカメラのシャッターを押しっぱなしにしていました。出発してから3時間になろうとするのに、まだ登り続けます。みほさんとガイドさんが無いね、無いねと呟き続けています。私は酸欠とコカの葉が効いていて意識朦朧。いったい何を探しているんだと聞く気にもなりません。「4800メートルを超えました。これ以上は車ではいけません」島さん諦めます。「仕方が無い。ここでやることをやろう」「しんや、まさひろ。あの丘の頂上まで行ってこの塩をまいてきてくれ」二人はあろうことか一目散に駆け上っていきます。そしてトップで小石を拾い持ちかえります。その石は今でも島さんが大切に保管しています。12:18 〈かんなから史上最高度の祭事〉弓ヶ浜根元塩 しんや蒔くまさひろ 立つ 神呼吸28回施光させる。神化人霊28体と神人合一心残りではありますが、これも致し方ないことと諦め、帰ることにします。なんと霧がどんどん晴れ始め、視界良好となっていきます。来ては欲しくない存在さんがいたんだろうなあと島さんの愚痴。車は小山を乗り越える形で、視界が開けました。じゃーん!