地方暮らしが変える12章(仮題)

台風の被害が報じられる１０月２２日の日曜日、

衆議院選挙が行われた。

実際は期日前投票が始まっていたので、悪天候を避けた有権者は多かった。

当日は投票の最終日ということになる。

私は２日前に投票所に行ったが、受付のPCが２台で行列ができているのに記載台は、

がら空きだった。

つぎの予定に時間がなかったので、受付のPC操作するオジサンののろのろに、いらいらした。

以前は若い男性が笑顔で迎えてくれて作業もテキパキ。

投票率を上げるなら、役所のこういう仕事も知恵を使うべきだろう。

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台風は冠水や土砂崩れを起こしていた。

選挙のほうは、開票が午後８時。

離島では船の欠航で開票が遅れる事態になる。

ところが開票と同時に投票結果が報じられた。

午後８時、メディアは一斉に選挙結果を報じた。

自民圧勝、大勝である。

この報道は開票速報ではなく、出口調査による各局の当選確実。


ツイッターには「NHKにわざと投票しなかった人の名前を教えた」と書く者もいた。

NHKはそれぐらいは見抜き、誤差に加えているだろう。



翌日に遅れた離島の開票を待たず、選挙結果はでそろっていた。



票は上積みされながら、自民候補の勝利が確定していく。

やがて「立憲民主党の大躍進」が報じられる。

同時に希望の党の完敗もつづく。



「一寸先は闇」とはよく言ったものだ。

希望の党が新党で飛び出したときは、都知事選の再来を想像させた。

小池代表は三桁と宣言し、立候補数は議員過半数を越えて用意されている。

安定、長期の安倍政権もここで小池新党に敗れるか。

政権交代か。


スタート時の希望の党の勢いは一気に失速。

投票結果も散々で三桁どころか５０そこそこに終わる。

投票・開票時の小池代表はフランス出張。




さて圧勝の自由民主党はなぜ勝ったのか。

メディアに出るコメンテーターは揃ってこんなふうに喋っている。

「野党が分裂したから自民党に入れた」

有権者・日本国民は、

「民進党が希望の党と立憲民主党と無所属に分裂したから自民党を選択した」

と言っている。

では民進党が割れずに民進党のままならどうか。

これは民主党時代からの選挙で結果が出ている。

一度、３年３カ月間、立憲、希望の一部、無所属の一部のメンバーが政権を担った。

つまり民進が分裂しなかったら、民主時代そっくりの政権を持ったかもしれない。

ただし民進１党では議席数が足りない。

すり寄る共産、社民他全野党と組むか。

そこへ希望の党が出てきて小池百合子が安倍政権批判を始めた。

これは野党一丸で政権交代か。

と前原氏は考えたのかもしれないが、小池百合子は元々、自民党。

自民党総裁を狙うならともかく、民進左派、共産と共闘できない。


当初は、あの笑顔と話法で、前原氏に甘い話を持ちかけた。
安倍一強を倒しましょう。
その後、自民の一部も取り込んで新保守小池党で総理大臣。


そんなこんなの「希望」があったのかもしれぬ。


しかし都知事選で成功した小池百合子だったが、

たかが都知事で舞い上がったのか、

ことごとく人の気持を逆撫でする言動になった。


ヒーローのごとき「豊洲ストップ」宣言から始まった。

日本人は鷹揚な民族。歴史を見れば敵でも死んだ者は弔う。
あの敗戦でさえ、皇室を守り、革命には至らなかった。
激し過ぎる攻撃を好まない。
同胞を領地内で拉致されても、「北朝鮮に核を」「キム死ね」とはならない。


民進のレンホウ、辻元、山尾氏を嫌う人々がいるのは、
国会での言葉の攻撃が激しすぎるからだ。
質問にしろ、議論を前提にビジネス的手法ならこうしたイメージにはならない。

質問は声の激しさで効果を得るものではない。

国会はパフォーマンスではないのである。

質問の効果、説得性は内容なのだ。


さて野党は「とにかく数合わせ、政権交代の呪縛」（辻元氏・テレビ朝日）にあがいていた。
共産党はひたすら「市民・野党共闘」を進めてきた。
こわもてイメージの共産が民進と同調するなら、
ソフトイメージで支持層が広がる。
野党の数合わせをしたい民進と話が合う。

ここに民進の失敗があることに民進は気付かなかった。
自党だけでもまとまりの困難な党なのだ。
ますます混乱する。

民進が民進のまま闘っても勝ち目がない。
政権交代は不可能だ。
そのジレンマに突け入る小池代表と政権交代を夢見る前原代表の合意が
希望の党だった。

前述のとおり、国会対立の反自民・民進と小池新党の合流は不可能なのだ。

歯切れの悪い小池百合子の話術に前原氏がどういう契約でまるめこまれたかは不明。
情報公開どころか密室密談の二人。

有権者の多数はその成り行きにあきれていた。
とても野党共闘に政権を預けられないと考えた。
当然、民進支持、共産支持者はいる。
新党の立憲民主党ができて、共産は嫌の人々は支持した。


メディアのコメンテーターたちは「野党分裂」を自民圧勝の理由に挙げる。

「敵失」「漁夫の利」


ここに旧来メディアの時代遅れ体質、視界の狭さがあるのだ。

日々を生活圏で生きている者たちは、もっと現実を体感している。
議論の業界のデータ分析や既存の論理はどうでもよい。
いま、きょう、明日の安穏、家族の暮らしに敏感である。

人々はそういう日常で安倍総理の仕事を見ている。
昨日、フランスにいたと思ったらもう、被災地にいるのか。
我が県内も正規雇用が１を越えたのか。
パートの時間給も上がったよな。
派遣の非正規から正規雇用になった。
高・大新卒者の就職率が大幅アップ。
株も２万円越え。

アベはアベはと批判していた友人が、
急に逆のことを言いだしたのには笑った。

脳梗塞かなにかで倒れ、介護保険の世話になった。
家の中に手すりをつけても６０００円。
自宅リハビリや送迎リハビリなど、
知らなかった福祉の世話になったのである。

左翼呼ばわりしていたのに「福祉国家だねえ」と変ったのだ。
（彼は本を１５０冊出版したコンサルタント）

北朝鮮のミサイルにじっと我慢するだけかという疑問。
私は北海道でJアラートを聞いた。

取られっぱなしの竹島、北方領土、尖閣への中国軍事脅迫。

不安定な海外情勢、テロ、難民、移民に反政府運動等々。


国民はなんとなく不安なのだ。

ほんとうに北朝鮮は「対話」で核やミサイルを放棄するのか。


安倍政権は支持されて大勝したのである。
自民党の支持者が野党支持より多かったから圧勝したのである。

けっして野党の分裂で勝ったのではない。
そんなことでこれだけの議席を取れるわけはないのだ。

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クラブメッド　北海道　トマム​











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