遠く彼方へ…。

夫の両親とは離れて暮らしているせいもありあまり会う機会がない。
私の親は娘とあって孫目立てに遠慮なく遊びに来るのでかなり頻繁に会っている。夫の両親はきっと気を使ってくれているのだと思う。物理的にも遠距離なのでなかなか会えないのは事実ですが…。
移住計画もあり接点がなく益々離れてゆく。一方、どんどん年老いてゆく両親。
夫の両親が同居の意思を私達に話したことは一度もない。あまりにもお互いの生活に共通点がないのでどちらかが相当な変化を強いられることになるから。皆で話題になるのを避けている。

でも移住となれば本当にはっきりさせなくてはいけない。
夫の母は会うたび、電話のたび、冗談交じりに「最近ボケてきたからお願いね。」が口癖。
相当しっかりしたお義母さんだから全然助けはいらないだろうに、毎回この言葉で気分が滅入り、罪悪感が襲う。
でもこんな不安を聞いてあげる必要が私達にはあるんだと最近少し思えるようになった。私達の意思はどうあれ、やはり安心させてあげなくてはいけないんだと。でも結局は自分達のやりたいようにするのだからそんな無責任な行動も躊躇する。
きっとお義母さんは少しでも私達の移住の考えを変えたい、阻止したいのだと思う。
悪気があるとかではなく寂しさを訴えているのかな？それとも自分達の意見を無視せず少しは聞き入れてくれという意思表示だろうか？「せめて日本にはいてちょうだい。」と言いたいのだろうか？「面倒を見てくれ」と弱音を言い出すのにどんな意味があるのかそんなの聞けばわかることなのに触れたくない部分なので、いつも曖昧にしてしまう。
とにかくもっと話し合えば解決するかもしれないのに、その1歩が前に出せない。

移住しても連絡はまめに、帰省も定期的に、万が一両親のどちらかに何かあればカナダに長期滞在してもらったりしながら、その時、状況でできる最善を尽くしたいとは思うが、日本で暮らすことは計画にない。どれも一方的な私達の計画にすぎない。

やっぱり子供が両親の面倒を見ず好き勝手に生きてゆくのは親不孝なのだろうか？
親孝行の形は親子ごとに様々だと思うけど、どうしても世間体や一般的な形を気にしてしまう。
この問題が解決しない限り私は晴れ晴れとした気分で移住ができない。