昨日RCサクセションと忌野清志郎さんについてブログに書いたせいか、今日は仕事の最中ずっと初期の傑作シングル曲「三番目に大事なもの」が頭に鳴り響いていました。十代後半の頃だったか、番組は忘れましたがAMラジオの深夜放送で特に説明もなくDJがかけてくれたレコードを聴いたのが初体験で、その破天荒な楽曲構成に冗談でなく衝撃を受けましたねえ。当時作曲の真似事をしていたこともあり、その独創性には即座に兜を脱ぎました。実にジャックス「マリアンヌ」、三上寛「昭和の大飢饉予告編」を聴いた時以来のショックでした(ジャックス、三上さんについては後日書きます)。
冒頭のサイケデリックな雰囲気たっぷりのアコースティックギターとコーラス、それまで聴いていたニュー・ミュージックとは明らかに質感の異なる徹頭徹尾ソウルフルな清志郎さんのボーカル、そして自分自身と受験勉強を彼氏よりも優先する、エゴイスティックな少女の心情をリアルに描ききった歌詞。これらが混然一体となった音楽的に完璧な傑作ですが、商業主義と完全に乖離した本シングルが大レコード会社・東芝音工から発売されたというのが今もって不思議です。しかしジャケットの清志郎さんのヒッピー姿には時代を感じるなあ。ゲバゲバ90分のハナ肇さんのようだ(YOUTUBEでジャケットも音源も確認できます。ご覧あれ)。
初体験当時はCD黎明期でした。RCの1st、2ndアルバムがCD化されるのはずっと後年のことで、オリジナルLPも既に入手困難のためプレミア価格となっていましたし、第一このシングルはアルバム未収録。よってフォーク時代のRCを手軽に俯瞰できる編集盤レコード(紹介盤)の存在は大変有難く、翌日にはレコード店で買い求め何度も聴き返したものです。その後めでたくCD化され今でも購入可能というのは嬉しい限りですが、デビュー曲「宝くじは買わない」は未収録ですのでご注意下さい。
今夜は体調がイマイチなので晩酌は中止にしましたが、さっきから何十回も本シングルをYOUTUBEで聴き返しては、清志郎さんの天賦の才に酔いしれています。本当に忌野清志郎というミュージシャンは大変な才人で、破天荒で、そして愛すべき存在でした。謹んでご冥福をお祈り致します。合掌。