「人生は夢である。死がそれを覚まさせてくれる。」
　（ホジヴィリ）

猫仙人も天寿を全うし、猫王国に来ていた。
今は猫大王の相談役として王宮に迎えられ、
猫たちの幸福と平和のために尽力している。

猫仙人は長い修行によって神通力をもった猫で、
この世とあの世を自在に行き来できる。
カズの師匠であり、ナナや子猫たちの先生でもある。
王宮の片隅で愛猫のメグと暮らしていた――。

仙人「ヘッ、クシュン。うーむ、風邪を引いたかな。
　　　霊界は寒くてかなわん。いまだに慣れんわい」
メグ「あなた、鼻水が出てるわよ」
メグが鼻水を舐めてあげた。
仙人「メグは優しいのう。わしゃ、幸せじゃて」
メグ「こうしていられるのも、皆様のおかげですね」
仙人「そうじゃなあ。メグが悪魔の呪いで石にされたのを
　　　仲間たちが救ってくれた」
メグ「感謝してますわ～。本当にありがたいことです」
仙人「ところでメグ、こっちにおいで。久しぶりに・・・」
メグ「いや～ん、はずかしいー」

と、そこへカズが慌てた様子で駆け込んできた。

カズ「ニャンコ先生、大変です！！　化け物が現れました！」
仙人「な、なんと！？」
メグ「あの、もののけが・・・」
猫仙人は驚き、そっとメグから離れた。
メグは恐怖で震えていた――。

つづく・・・

猫物語作家　kane

過去の猫物語はこちら⇒猫物語総集編