冠婚・葬祭・森羅・万象

春うららから一変して厳冬期に。
東北の冬はあなどれない。

スタッフと大阪、東京から東北の空港で待ち合わせ。
大阪便も強風雪で条件付き、
もちろん東京便も同じ。

かなり揺れはしたけれど吹雪の空港に無事着陸。
車に乗り換え目的地へ。

道中地吹雪で周りが見えない事もあったけれど
北陸でも経験しているので、こんなもんやねでホテルへ。

チェックインの後、地元の酒と肴を食べようと
雪のやんだ街へ向かって徒歩ででた。

エレベータで会った地元の方は近くでもタクシーがいいですよと
言っていたが　たかだか３００メートル程度。
贅沢、横着な人たちだとその時は思った。
タクシーも嫌がるだろうにと。

でもその忠告の意味がいやというほど後で解るのだ。

雪道をご機嫌で歩いていた時、突然の強風。
そして大粒、堅い雪が。急に北アルプスの冬の稜線に
放り出されたようだ。

前が見えない、目が開けられないほどの吹雪。
そして強風。体がみるみる冷えて行く。

急いで近道をと道を変えたら　スタッフがいない。
戻ってみても地吹雪でみえない。

？？？？？？？どこか迷ったのではと心配に。
コートは真っ白、頭のなかも真っ白。
すれ違う車の中から　冷ややかな目。
足の感覚も顔の感覚も無くなってきた時
なんとか携帯で連絡がつき、迷いながらも目的の店に到着した。

店に入った時に生きた心地がしたのは言うまでも無い。
生還！昔冬山で厳しい環境の中テントにたどり着いた時の感覚を思い出した。

東北の冬はこんなもんだよと　お店の人に聞いた。
そしてどんなに近くでもタクシーが嫌がらない事も。

当然だ。歩いていて突然の吹雪にあうと死んでしまう。
街を歩いて凍死なんてしゃれにもならない。

もちろん酔った勢いで歩いて帰るような愚は犯さなかった。
タクシーの有り難みがヨーク解った東北珍道中。

風と雪がまだホテルの窓を激しく打っている。
深夜の天気予報が荒天を伝えている。
飛行機飛ぶのかな？
東北の冬は本物だ。