冠婚・葬祭・森羅・万象

葬祭会館の建設が未だ全国各地で活発に行われている。

弊社も設計デザイン・開発部門があるので引き合いも多く嬉しい限りである。

ただ葬祭会館の建設ラッシュがあった１０年前後前の葬儀社や
その後にムリをして会館の開発に乗り出した葬儀社に様々な軋みが起こっている。

２０年近く前からこの仕事に携わらせて頂いているがその当時から
装置産業は過大投資をすると必ず破綻に向かいますよ！とセミナーなどで
お話ししてきたのだけれども　１世１代この時ぞとばかりに
立派な葬祭会館を建設される。

デザインを上質にローコストで開発をモットーにしている私たちとしては
はらはらどきどき。

１０数年経過した今やはりその後遺症というべきか激しい競争のなか
経営的に厳しい状況に置かれている葬儀社が増加してきた。

もちろんコンサルティングビジネスを生業にしている私としては
そのような葬儀社を再生・活性化しなければならないのだけれども

経営者の資質が変化しなければなかなか上手く上昇気流に乗せる事は困難になる。

コンサルティング会社やコンサルタント、講師などに委せっきりで
自身お金を出すだけでなにもしない経営者もいる。

そして効果が無いと嘆く。果てはスタッフの能力の無さだと。

違うのですよ！ってお話してもなかなか取り合って頂けない。

経営的に悪化してきたのは環境のせいで互助会のせいで農協のせいで
隣町の業者のせいで、自分たちの会社は祭壇は立派で会館も立派で
すばらしいサービスを誇り、と嘆いている経営者がとても多い。

誰かのせいにしたところで業績が伸びるわけでは無いのだけれども。

葬儀社の経営悪化はボディブローのように少しずつ少しずつ効いてくる。

ある日突然受託数が激減しないのが特徴だ。

しかし気付いたときにはかなり悪化している。

悪性のガンのようなものだ。

地域の皆様の声を聴き、
地域全国の消費者の流れ関連業種の流れを学び、
自社に来て頂こうとする皆様に自社の事を分かって頂く。

最低限その３つを行う必要がある。

装置産業となりつつある葬儀業界。
会館が無ければ葬儀が受託できないエリアも増えてきた。

商業施設や住居系施設からの葬祭会館へのコンバージョンは簡単だけれども
葬祭会館から他の業種へのコンバージョンは難しい。

廃虚となった葬祭会館を見るのは忍びない。
負けないためにも子々孫々と続いてきた暖簾を守るためにも
消費者に指示して頂くためにも
ますます地域密着マーケティングの必要性が重要視されなければならない。