冠婚・葬祭・森羅・万象

葬祭業界が「安・近・短」に変化していると前回記述しました。

葬儀を優先受託する為に業界の皆様は様々な顧客囲い込みをしておられます。

互助会組織・共済・小学短期保険・任意の会員組織
高額な会員制度等々　創意工夫をされ将来の仕事を確保する為に
多くの労力と費用をかけておられます。

会員制度を考えるときには大きな３つのコストがかかる事を忘れてはなりません。
１、募集コスト
２，管理コスト
３，顧客育成コスト

１は当然宣伝広告や募集員のコストです。
互助会や保険会社などでは専属の募集員のコストです。
専属の営業員がいない会社は会員制度を認知させるための宣伝広告費です。
２は会員管理のコストです。
３は会員を組織化してもその会員とのコミュニケーションを放置していると
実際にその会員宅で葬儀が発生しても必ず自社が受託できるとは限りません。
その為に常に会員とのコミュニケーションを深化させるために
様々なイベントやコミュニケーションペーパーを発信する必要があるのです。

会員組織の運営は今後葬儀業界で勝ち残って行く為には必要不可欠ではありますが
とても多くの費用が必要になる事を考えておくべきです。

さて会員とのコミュニケーションも大切ですが
葬祭会館を中心にした商圏すべての世帯がその会社を知っているわけでは有りません。

消費者から見ると葬儀会館はやはり情報発信の場所というよりは
お葬式をする場所でありお葬式に行く場所なのです。

お葬式の情報を発信するにはその発信の「場」が必要です。
イベントなどでは葬儀会館がよく利用され
上手な会社では毎回盛況です。

ただ日常的な情報発信にはやはり「場」が必要です。

全国に少しずつ増えてきた相談所やセレモニーに関する情報発信基地としての
店舗。消費者からはとても助かる情報発信の「場」です。

さて情報発信といえば

今盛んにＣＳＲ（Ｃｏｒｐｏｒｅｔｅ　Ｓｏｃｉａｌ　Ｒｅｓｐｏｎｓｉｂｉｌｉｔｙ／企業の社会的責任）が葬儀業界でも言われるようになってきました。

様々な書籍やホープページ上でも沢山の企業のＣＳＲ活動が報告されています。

とても判りやすい文章がアサヒビールのホームページにありました。
http://www.asahibeer.co.jp/csr/philosophy/index.html

葬祭業界でも様々な取組みがなされていますが
その中の一つに環境問題があります。

葬祭業と環境

あまり関係のないような事ですが
カーボンオフセットという言葉を耳にした事がお有りだと思います。

地球環境問題の考え方には様々なご意見がありますが
取り合えず破壊された自然を再生し後世に大切な自然を残そうとする
活動はとても理解できますし　森が増えれば二酸化炭素が減る事も
小学校の時に習いとても理解できます。

お葬式の後日本では火葬されるわけですが
その火葬に必要な「棺」が木で出来ているわけです。

当然「木」は切り倒して利用するわけですので森は少なくなります。

単純に考えても年間100万本の棺が燃やされ３０年後には160万本程が
年間焼却されてしまいます。

ある会社の資産では年間燃やされる棺を単板にし積み上げると
富士山の７倍にもなるそうです。

消費者に理解されやすい情報の発信と小学生でも理解できる
葬儀と環境の問題。

難しいＣＳＲよりも簡単な活動から進めて行くのも
地域に理解される葬儀社としてのポジションを築けるのではないのでしょうか。
もちろん環境問題はＣＳＲの中でもとても重要なポジションに有ります。

お葬式に関する情報は当然ですが
その廻りに関係する情報を分かりやすく説明すると
もっと葬儀社が身近に感じられるのではないのでしょうか？

葬儀社が地域とのコミュニケーションを深化させる今後のキーワードとして
環境・家庭・そして高齢者の組織化でしょう。