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カテゴリ:カノンちゃんのこと
療育教室に入った瞬間、曜日を間違えたのかと思った。
知らない親子が二組。 教室の場所が変わって、今月は試験的なスケジュールになっていて、メンバーも多少入れ替わっているらしい。 子供は二人とも男の子で、一人はダウン症の子。 もう一人は、この施設で初めて出会う「親に障害の疑いを持たれていない子供」だった。 幼稚園年中クラスの彼は、通っている幼稚園で、言葉での指示が通りにくく、集団での行動が難しいといわれて、この施設を紹介されたそうだ。 児童相談所や病院を通さず、幼稚園から直接療育を紹介されるケースは珍しいんじゃなかろうか。 よく市の支援費の審査が通ったなぁ。 ちょっと言葉は遅めだけれど、コミュニケーションは普通に成り立つし、特に問題行動も無い、とてもいい子だった。 けれど、ママは子供のやることなすこと全てが気に入らない。 片づけの時間に、おもちゃを片付け始めるのが遅かったというだけで頭を叩いたり、ちょっともたついたりするだけで、すごい口調で罵声を浴びせたり。 カノンちゃんがその子の近くで泣き出したというだけで、「アンタまた何やったの!」と叩かれてしまったりもした。 保育士さんや私がなにもしてないよと説明しても、決して自分の間違いを子供に詫びたりはせず、なお悪態をつき、子供のすべてを否定し続けるママ。 悪いことは何一つしていないのに、大好きなママに叱られてしょんぼりしてる子供に「大丈夫だよ、何にも悪くないよ」と言うことしかできなかった。 子供の通う幼稚園は、管理教育のかなり厳しいところらしく、その園の中でとにかく集団行動についていけるようにしたい、他の子と同じように、先生の指示に的確に素早く従えるようにしたいのだと、ママは繰り返した。 「私スパルタなの。とにかく追い付かせなくちゃって。もう必死よ」 それはまさに、私が絶対なりたくないと思っているママ像そのものだった。 ちょっと言葉が遅い。普通の子のように機敏に行動できない。 このママは、そんな子供を思いっきり否定していた。 でも、そのママの口調が、どこか私と重なるところがあったのだ。 りんちゃんに怒ってる時、私もいつもこんな風に言ってないか? 健常児であるりんちゃんには、つい多くを求め過ぎてしまう。 私もこの療育ママと変わらないんじゃないのか? 激しく反省した。 客観的に自分を顧みることができるチャンスをくれた療育ママに、ちょっとだけ感謝。 それにしても、あの子可哀想だったな。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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