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カテゴリ:神社めぐり…京阪神・奈良
春日大社の春日若宮おん祭は、今年で871年目。春日大社摂社の若宮神社に伝わるお祭りです。 毎年12月17日を中心に行われるこのお祭りのハイライトは、神様が長い参道を通って御旅所に向かわれる『遷幸の儀』とお帰りになる『還幸の儀』です。 神様の時間は、古くは、昼ではなく夜だったそう。 ですから、17日の午前0時に出発して、シンデレラのように、その日の夜の12時前にお帰りになります。 前から興味はあったのですが、寒いし夜12時頃だし…行ったことありませんでした。 でも、このあいだ春日山に登ったあと、ぜひ行こうと。 そして、結局、両方に行きました。 まず遷幸の儀。 16日の夜11時過ぎ、真っ暗な参道の向こうから、若宮神社前の楽人の笛、ヒュー、ヒューという乱声(らんじょう)の音色。これが聞こえてきたときから、神秘的な雰囲気が漂い始めました。 一切の明かりを消した参道の脇に石灯籠のようになって、じっと立って待ちます。暗闇の空なのにぼうっと薄明るい。 楽人や神職の踏みしめる砂利の音。 若宮の方のぼんやりしたあかりがふわっと動いたなと思ったら、30人くらいの白い装束の神職が手に榊の枝を持ち、ご神霊をいだく宮司さんを何重にも取り囲み、オー、オーという警蹕(けいひつ)の声。 参道を行く先頭は松明の火。道を浄め照らします。 沈香(じんこう)という浄めの香り。 神職の後ろには、楽人の雅楽の音。 この音とぼうっとした明かりの後ろに付き従って歩くと、その神秘的な列と一体になったような不思議な感覚がします。 御旅所に着くと暁祭。 奉納される社伝神楽。巫女さんの舞も優美。紅白の珍しい神饌。雅楽の音色。 篝火のあかり。 お祭りが終わって静まりかえった仮殿の前。いい感じの余韻が残ってました。 いったん帰宅して17日の夜。 御旅所の雅楽奉納の終わり頃にまた行きました。 そしてすべての神事が終わって、還幸の儀。 榊を手にした神職がそろい、篝火が消されると蒸気がぼうっと綺麗な星空に舞い上がりました。空にはオリオン座、シリウス…。 そしていよいよお出ましとなる直前、急に風が吹き出して、入口のしめ縄の紙垂(しで)が勢いよくたなびきました。 するとなぜか涙があふれてきて止まらなくなりました。 こんな不思議な感覚はめったにありません。ありがたいとか、理屈とは関係なしに、浄闇のなか、神職の白い人垣の向こうを見つめていると、ただただ涙があふれてくるんです。 そして若宮に戻るその列のうしろに従います。 遠く先頭がぼうっと松明の光。楽人の調べ。こうやって聴くと、やっぱり雅楽は神の音楽のように思えます。 道の所々に燃え落ちた松明のかけらが明るく点々と光っていて綺麗です。 なにか光の長い帯がずっと続いて、その一部になったような感じ。 ただただ歩いているだけですが… 社前での神事、神楽がすべて終わったあとの境内は、すうっと掃き清められたよう。 その参道をまたひとりくだって、二の鳥居、一の鳥居、猿沢の池…と歩きました。 何年かお参りしているうちにいつのまにかこの神事を間近に見る機会に恵まれました。 帰ってからの日常、なにか変わったかな。今は記憶のなかの光しか思い出せませんが…。 ・お旅所祭(2年前の日記) http://plaza.rakuten.co.jp/kanseimemo/diary/200412190000/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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