カテゴリ:映画
戦争モノというと、「戦争反対」「平和ってすばらしい」「戦争中も反対している人はいた」と連呼しているようなモノが多いのです。実際、この間見た「ローレライ」もそんな感じでした。 そういう映画に共通している欠点は、戦争とまともに向き合おうとしていない点。戦争の真実を見せずに、ひたすら全否定をしているだけのように見えて、げんなりしてしまう場合がほとんどです。 これも最初はそういう類の映画なのかと思っていました。なにしろ角川春樹といえば、名作の「戦国自衛隊」や「天と地と」を使ってめちゃくちゃな映画をとった人ですからね。でも、いい意味で裏切られました。 かなりいいっス。 まず大和がものすごくリアルです。戦闘シーンがかなり長いのですが、まったく集中力が切れません。映画はこういうところに手間とお金をかけてほしいものです。アメリカの飛行機と交戦している大和を空から映す映像などは、これだけでお金を払う価値があると思います。 それから、中村獅童がいいっス。この人は演技が上手いとかそういうレベルではなく、とにかく存在感、説得力があります。こういう役は向いているというのもあるでしょうが、考えてみれば「今、会いにゆきます」では、全く違ったキャラクターを演じてました。でも、それも良かったんですよね。この人がでる映画は全て見たい、と思うぐらい魅力的でした。 何よりも、戦争から逃げずにしっかりととらえているのが一番良い点です。一昔前ならば、「右翼映画」というレッテルを貼られたかもしれませんが、ものすごい動員を記録しているそうですから、今の人は、決して「右翼的だ」とはとらえていないんでしょうね。 欠点を挙げるとすれば、長島一茂を使ったことでしょうか。この人は「長島家のお坊ちゃん」というイメージがありますから、この人が出てきた瞬間に現代にタイムスリップしてしまいました。それに、「死ぬ意味があるのか?」という問いかけに対する答えを長々としゃべっちゃうんですから、脚本も問題ありですね。「渡る世間は~」じゃないんだから。 それから、ちょっとわざとらしい演出も気になりました。最後に15歳の少年が船の舵をとるシーンなんかは、「いかにも」という感じがしてちょっと引いちゃいましたね。 また、本当は若い小中学生に見て欲しい映画なのですが、流血シーンが多いので、小学生にはきついかもしれません。 それから、主題歌を歌っているのが長渕剛だというのも大きな減点です。曲調云々ではなく、こういうメッセージ色の強い歌手を使うと、長渕剛のイメージ=映画のイメージになっちゃうんですよね。インストゥルメンタルとか、クセのない歌にしたほうが、想像力が膨らんで良かったと思いますね。 悪い点も結構書いてしまいましたが、総合的に見ると おススメ度★★★★★ です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.12.20 13:14:40
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