備えるを考える☆防災・防犯・保険

政府が全額出資する「日本貿易保険」が運営している政府の貿易保険は民間保険会社では難しい海外取引に伴う高いリスクについてカバーしていますが、この保険について、来年の通常国会へ貿易保険法改正案の提出が検討されているようです。

背景としては…
新型コロナウイルス感染症の拡大により、海外でインフラ設備工事を手がける日本企業が、現地のロックダウン（都市封鎖）によって作業が中断し、人材や資材の確保などで巨額の負担を強いられたケースがあったことに対応するためです。

現在の貿易保険では…
追加費用への補填は戦争やテロが原因の場合に限られているそうで、法改正により、感染症拡大や自然災害などによる事業の中止・中断には対応できていません。

改正案では…
感染症拡大や自然災害などによる事業の中止・中断に対応できるようにして、コロナ禍で顕在化した、部品や素材などの供給網が途絶するリスクもカバーするそうです。
具体的には、海外子会社の出資先企業で生じた損害により、日本企業本体にも損失が生じた場合を保険対象に加えるとのことです。製造業を中心に供給網が多国間にまたがるようになり、日本企業は海外子会社を通じて再出資した先から部品などを調達している事例が増えていることを踏まえたそうです。
その他、「日本貿易保険」の業務に、国際金融機関への出資を追加するそうです。アフリカの機関などに出資し、現地の情報収集や案件の企画・立案に関与することを想定しているそう。日本企業の損失リスクをあらかじめ減らす狙いがあるとのことです。

「日本貿易保険」の保険料は加入する民間企業から集め、２０１９年度の引き受け実績は約５兆９０００億円、保険金支払額は５７１億円だそうで、すごい規模です。

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