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カテゴリ:生きる事の喜びと悲しみ
増田明利/著 、新風舎 、2006年7月発行 昨日、(夫に頼まれ)胆石関連の本を探しに本屋に出かけました。 目的の本は「食事療法」の内容の本が多くて、結局、買いませんでしたが、 ふと、目に止った本がこの本でした。 (他に「小堺桂一郎」さんの新刊と「会社救済弁護士・松村謙一」さんの本も買いましたが) 13人のホームレス{ほとんどが東京在住(?)}のホームレスになったいきさつと現在の収入 、さらには、現在の心境を取材した本でした。 この本の13人のホームレスのほとんどの人が50代.60代。 学歴は、というと、これも大学卒が多く、ホームレスになる前には立派な肩書きを持っている人ばかりでした。 つまり、バブルがはじける前と、後、を企業戦士としてがむしゃらに働いてきた彼ら。 それなのに、会社の一方的事情によって突然の「リストラ」「解雇」「依願退職」を強いられてしまった人がほとんどなんです。 会社を辞めてから、40代・50代は、みな同じように、年齢制限により再就職の道は閉ざされてしまっている。 なかなか再就職ができずに、どうにか再就職ができたとしても、 大幅な月収ダウンによる生活苦。 そのため借金をするようになり、 やがて、金銭的にも精神的にも追い詰められてしまい、家族にも見捨てられる、又自分から見捨てたり・・と・・そして路上生活に。 路上生活になっても、本心は「家族」に会いたいと思っている。 けれど、今の惨めな自分を見せたくないと言う思いが交錯して、毎日をせつなく暮らしているようです。 「自治体」の「支援策」も知らず、「自己破産」という法的な整理も知らず、 彼らは、公園や、駅、などを徘徊している。 実は、私とホームレスとは、過去に縁があって、(変な縁ですが) 半年ほど、仕事をしてもらった事がありました。 「ホームレス」は「臭く」「汚い」というイメージを想像していました。 本当に臭い人もいましたが、(たぶん、お風呂にはいらないせいだと思う) こざっぱりした人も多くいました。 毎日、空き缶拾いや電線集め、週刊誌集めなどをして収入を得ていました。 お金には、びっくりするくらい、貪欲で、日当が低いところの仕事はやりたがらないのです。 青テント集団にも縄張りや決め事があります。 日雇いの仕事も、元締めみたいな人がいて当日の朝、割り振りしています。 世の中の決め事に従わない人が多いので、結構わがままだなぁって感じました。 仕事場への送迎付はあたり前。 「俺は仕事してやるんだ」と言う態度も見え見えでした。 彼らの中には、「なんでこの人がほームレスなの?」という疑問を感じた事もありましたが、 世の中のルールには反発していたので、使いづらく、半年くらいで使わなくなりました。 自分がこうなったのは世の中のせい?と言っているホームレスはたくさんいます。 本当に世の中のせいなのでしょうか? 私にはよくわかりません。 自治体は「炊き出し」や「仮住まい」のプレハブを建てて、自立できるように支援しています。 そのため、仕事がなくてもなんとか食いつないでいけると言う話も聞きました。 ますます、貧富の格差が広がっていくこれからの社会。 「将来の自分」が生きていくために、「今の自分」の生活で何をすればよいのか? お金を得る手段は? 真剣に考える必要があるような気がします。 ホームレスは明日の自分かもしれない・・と筆者は訴えています。 考えさせられる本でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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