テーマ:気まずい出来事(57)
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ホルモンをマッコリで流し込んでいい気分でひとり下り電車に乗ってた昨夜のこと。
俺はを使って座席を確保した。 正面には俺と同じ世代と思われる女性二人が座っていた。 二人は友達同士でそれなりに仲良さそうに濃厚なチーズの話でもしている様だった。 コブクロをそのまま女性にしたような感じの二人である。 コブクロ小渕(小さいほうの女)の方はまあかわいいという感じ。 一方のコブクロ黒田(大きいほうの女)の方は気はいいといった感じ。 電車はやがて黒田の降車駅に近づいてきた。 黒田「私、次だから。じゃあ今度イタリアンね」 まあいい。早く降りろ。 開くドアは俺から見て正面、つまり彼女たちが座っている並びのドアが開いた。 黒田が小渕に笑顔で手を振りながら降りていく。 なんとなくほっとした。 俺は『満員電車で座る技術』の続きでも読もうかと目線を下に落とそうとしたその時、 正面の窓ガラスの向こうに黒田がいた。 最後のバイバイを小渕にしようということらしい。 ドアを出てから回り込んでわざわざ小渕の後ろまで来ている。 小渕は気づかない。 おい、志村、後ろ、後ろ。 いや小渕、後ろ。 黒田がそれでもめげずに待っている。 なにやらニコニコして窓の向こう「おーい、おーい」みたいな顔。 小渕気づかない。 一部始終を見守っている俺。 黒田と俺、目が合う。 ごめん、俺には何もできない。 たまらず俺は目をそらした。 黒田の笑顔が走り去った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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