テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:カナダ
カナダに滞在して半年近くたった頃、私は持ってきたお金の残額と相談し、
バンクーバーでの滞在を延ばすか、 それとも有り金はたいてアメリカ旅行してから帰るかすごく悩んだ末、 せっかくだからアメリカを見てから帰ろう、と決めた。 ローズマリーは私のその決心を聞いてひどく残念がってくれ、 実は留学生の受け入れはあなたで最後にしようと思っている、と話し、 最後はあなたで良かった、と泣きながら抱きしめてくれた。 アメリカ行きを電話で両親に話すと、 父はボストンにいる知り合いを紹介してくれ、 ホテル代も心もとない私のために、 しばらくその知り合いの家に置いてもらえるように頼んでやる、と言ってくれた。 その知り合いは父のアマチュアジャズバンドのピアノ奏者だった女性で、 ボストンのバークリー音楽院に留学しているとのこと。 バークリー音楽院を見学したい!ハーバードも行ってみよう! ついさっきまでカナダを離れる寂しさで一杯だったくせに、 一瞬のうちに心はもうボストンに飛んでいた。 最後の日、ローズマリーに空港まで送ってもらい、 「絶対にまた帰ってくるから」と約束し、 だから涙は無しでサヨナラした。 きっとまた帰ってくる。帰ってくるんだ、バンクーバーに。 モントリオール経由で飛行機はボストンに到着した。 空港まで、ナオコさんは迎えに来てくれていた。 ナオコさんとは何度か会った事があったので、私たちはすぐに親しく話すことが出来た。 ナオコさんの家までは電車で行く。 駅の名前は忘れたけど、とても緑豊かな駅の近くに、ナオコさんのアパートメントはあった。 そのアパートメントの一室をナオコさんとアメリカ人の若い女の子と、 年齢不詳のアメリカ人(だと思う)の男性の3人でシェアしていた。 日本にいた時のナオコさんを知る私は、 実は空港で再会したナオコさんを見て、アレッ?と思ったことがあった。 痩せている、と言うより、やつれている。 にこやかに笑っているのに、どこか物寂しい。影がある。 何かあるのかも、と少し思った。 (長くなるので続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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