カテゴリ:仕事
今日はちょっとした自慢(?)話。
沢山のモデル達との出会いと別れを経験した私だけど、 そのモデル達の中で、1人だけ(私の知るかぎりでは)超ビッグになった子がいる。 名前をハッキリ書くと彼女のキャリアに傷が付くかもしれない(涙)のでイニシャルで。 彼女はD・R。 うちの事務所にやって来たのは彼女がまだ15、6才の頃。 初めて見た時に、その瞳の大きさに本当に驚いた。 キラキラしたその瞳に見つめられて挨拶されると、 本当にこのまま吸い込まれてしまうんじゃないかと思うくらいだった。 「彼女はアメリカで今人気上昇中だから、来てもらうのが大変だったよ。 きっとうちのトップスターになるよ!」 Jは興奮しながらそう言っていた。 確かに彼女はとてもキュートで、魅力的だった。 でも、今から思えばまだ花開く前だったのかもしれない。 それと、少し個性的な顔立ちなので、大阪のマーケットには合わなかったんだろう。 Jの思惑は外れ、仕事は全く入らなかった。 大抵そうなのだが、売れるモデルはみんな「良い子」ばかりだ。頭が良い。 彼女もアメリカでは売れっ子、というのがよく分かる。 全く仕事が入らなくても文句一つ言わなかった。 いつも私達スタッフのことを気遣い、お菓子の差し入れをしてくれたりした。 季節は夏真っ盛りで、もうすぐお盆休みに入る、というある日、 D・Rは笑いながら私に言った。 「大阪は私の事好きじゃないみたい」 「あなたにしか出来ない仕事、絶対に見つけるから!」 私はそう言って彼女の肩を軽くポン、と叩いた。 「良い娘ね、Mayo」 とまだ子供の彼女は笑いながら言った。 そして短いお盆休みをほぼ毎日寝溜めして過ごしていた私に、 実家の父から電話があった。 「さっき、外人さんから電話があってな、名前はD~とか何とか言うてたよ。 Mayoにサンキューて言うといてくれ、て言うてたんちゃうかな~」 一応、英文学科専攻だった父の実力で対等に(おいおい!)お話したらしいが、 D・Rの名前を聞き取れただけで充分だ。 彼女に何かあったのかも、と思い、急いで社長に連絡した。 すると、社長が冷静な声で、 「あ、それ、お別れの挨拶したかったんだと思うよ」 「えっ?」 「D・Rはさっき、帰国したから」 「なんでですか?」 「アメリカで大きな仕事のオファーがあったらしくて、むこうのエージェンシーが どうしても帰してくれって言うから仕方ないでしょ、こっちじゃ稼げないんだし」 わざわざ電話してきてくれたんだ…。 私は寂しさと嬉しさでごちゃまぜになっていた。 モデルが帰る時はいつもそうだ。 どんなに悪態ついていた子でも、みんな帰る時はThank youって言ってhugしてくれる。 そんな時、私はいつも逆ウルルン滞在記状態になってウルウルしてしまうのだ。 (カヨちゃんはお気に入りの子(男の子のみ)が帰る時はいつも号泣している) 休み明け、私は社長から手紙を渡された。D・Rからだった。 その内容は、本当にきっちりとした、賢い彼女らしいお礼の手紙で、 彼女のアパートメントの住所と電話番号も書かれていた。 そして最後に、「きっとまた帰ってくるから」と。 それから歳月は流れ、 今はもう子供ができて栃木県に住むユキちゃんから電話があった。 「Mayoさん!大ニュース!D・R映画に出てますよ!」 聞いてみると、それはわりと流行った映画で、 ミステリー学園モノという感じの作品だった。 私はすぐに近所のレンタルビデオ屋さんに行ってその映画のケースを見て驚いた。 セクシーで、大人の女に成長したD・Rがそこにいた。 相変わらず瞳は大きくてキラキラしてるが、 それよりもぷっくりとした唇が挑発的で、ものすごく魅力的だった。 あの幼いD・Rが、こんなに大人になって…。 全く泣くような内容じゃないのに、(むしろセクシー系) 何故か私はまたウルウルしてしまった。 しかし、いつの間にあんなに胸が立派になったんだろう。 実際に私が採寸したから証言できるが、15、6才の頃は…私の方が勝っていた。 怪しい…のか?そうなのか?D・R!? その後、彼女はシリーズ物では有名な映画のヒロインに抜擢され、 ますますメジャーになっているようで、 もう今はただの彼女の1ファンの私は、毎回彼女の作品を観るのを楽しみにしている。 彼女からの手紙? そりゃあもちろん、私の大切な宝物。 「なんでも鑑定団」に出せってダンナ様がうるさいけど。(笑) (まだまだ続いていいですか?) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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