テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:カナダ
今でこそ普通のパン屋さんでも売っているマフィンだけど、
私がカナダに行った頃は、日本でマフィンなんて言っても、 「何それ?」てな感じだった。 だから、リーチ家でほぼ毎日マフィンを焼くことに、最初すごく驚いた。 今日はブルーベリー、明日はバナナ、その次はニンジン…という具合。 でも、でも、それがものすごく美味しい! 私はすぐに病みつきになり、 交代制で焼くことになっていたのだが、私だけは毎回参加していた。 一番のお気に入りはチョコチップマフィン。 今日本で食べるチョコチップマフィンのような控えめなチョコの量じゃなく、 リーチ家のはチョコの間から生地が顔を出す、というぐらいの割合で 盛大にチョコチップを入れる。ザザ~ッ!と。 そんなだから、焼き立てを食べるともう口の周りも手もチョコだらけ。 でも、チョコに目が無い私はもう大満足なのだ。 マフィンの作り方は信じられないくらいに簡単で、私も一人でよく焼いた。 チーズを入れると食事代わりになるので、 それをランチとして学校に持っていくことも度々だった。 こんな美味しいもの、どうして日本で売っていないのか、とよく疑問に思い、 日本に帰ったらマフィン屋さんをしたい、と真剣に思うようになった。 きっと当たるぞぉ~! と勢い込んで帰国し、 実際に家で同じ材料、同じ温度で焼いてみた。 あれっ…? なんだか、中に火が通っていないような…いや、それだけじゃない、 味が全然違うじゃないか! オーブンの違いもあるのかもしれない、と思い、 温度を変えながら、中身を変えながら、何度も何度も焼いてみた。 失敗作がどんどん山になり、家族もそろそろマフィンに飽きてきた頃、 ようやく私も諦めた。 家で食べる分にはそこそこイケるが、でも別に飛び抜けて美味しいわけじゃない。 それから少しして、 日本にも「ミセスエリザベスマフィン」というマフィンのチェーン店があると知った。 大阪ミナミにも進出してきたというので、わざわざ買いに行ってみた。 うん、美味しい。 …でも、やっぱり違うんだな~。 今でもたまにマフィンを焼くことがあるけれど、でも食べるのは私だけ。 ただ、懐かしさを感じたくて。 焼く、という行為、その手順を踏むことが、私をあの時に連れ戻してくれるから。 もう一度食べたいなぁ~…バンクーバーで。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 下の本は、私がバンクーバーを離れる時にローズマリーがくれたもの。 「この本のレシピが、一番うちのに近いから」と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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