テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:カナダ
現地添乗員らしきその男性は、
私が声を掛けると怪訝そうにこっちを見た。 私は彼が持つ大きな紙に書かれた2つの名前を指差し、 それが自分の両親であることを告げ、 自分がカナダに留学中で、両親に会いに来たことを話した。 すると、彼は少し困ったような顔をして、 「そうですか…」とスッキリしない声を出した。 おとなしそうで、無口で、表情があまり無い、添乗員をするにはしんどそうな感じ。 そんな彼にとってはすごく迷惑なことだろうな、と申し訳なく思い、 ホテルのことなどは両親が到着してから父に任すことにして、 そのまま黙って彼と並んで二人が現れるのを待っていた。 しばらくして、見覚えのある日本人の中年夫婦が、 バカでかいスーツケースを押しながら、不安そうに出てきた。 「お~いっ!」 私は大きく手を振り、二人はこちらに気が付いた。 初めてのアメリカ旅行で緊張していたんだろう。 二人とも私の姿を見つけた途端、パッと顔の表情が明るくなった。 「お~、よう一人で来たな~」と父。 それはこっちのセリフだ。思いっきり不安だったくせに。 よく二人でここまで来たね~。 その隣りで、私を見つめながら母がもうウルウルしている。 勘弁してよ~(泣) 感動的な親子の再会を終え、 私は一人取り残されてる現地添乗員さんを二人に紹介した。 とりあえず市内観光に出掛けるというので、 車に乗り込んだ私は、父に耳打ちした。 「ホテルのこと、頼んでみてくれる?」 父は、添乗員さんと適当に話した後、ホテルのことを聞いてくれた。 「娘も一緒に泊まりたいんですが、エキストラベッドを入れてもらえませんか?」 すると添乗員さんは、 「ベッドはかなり大きいんで、奥様とお嬢様が一緒に寝られたらどうですか?」 「あ、それで良いです。で、料金はお幾らになります?」 「もう黙ってたらいいんじゃないですかね」 …面倒臭いのね。 私達3人は、顔を見合わせて頷きあった。 とりあえず、2泊分の宿は確保。 到着したところはフィッシャーマンズワーフ。 カニが山のように積まれている露店からの匂いに誘われて、 足が自然とそちらに向いてしまう。 早速お買い上げ。 茹でたカニを乱暴に砕いたものを豪快にしゃぶる! うわっ!美味いっ! でも、贅沢を言えば、三杯酢で食べたかった…。 ♪と~れとれ、ぴ~ちぴち、かにりょ~り~♪(カニ道楽CMより) 口から出てくるのはやっぱりこのCMソングだ。 サンフランシスコの街並みには、ちょっと合わないけど。 その後、いくつかの観光スポットを通りながらホテルに向かったが、 後ろの座席に座った両親は、車に乗るなり大きなイビキをかいてガーガー寝始めた。 私は、真面目に一生懸命説明してくれている添乗員さんに悪くて、 睡魔と戦いながらも、熱心に聞いているフリをしなければならなかった。 車はユニオンスクエアから2ブロックのところにある、 「Hilton San Francisco」に到着した。 おぉ~!ゴージャス!やっぱり来て良かった! すっかり寝込んでいる父母を起こして、ホテルの中へ。 添乗員さんがチェックインしてくれている間に、 ロビーのあちこちを歩き回ってみた。 重厚な感じの家具に、ふかふかの絨毯。 かる~い感じの服装の私には、ちょっと居心地が悪い。 でも、今日から3日間、ここが私達親子のサンフランシスコの家になる。 どんな3日間になるか、今から楽しみだ。 今回は、名付けて「親孝行の旅」…になるか!? (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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