テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:カナダ
最終日、すっかり添乗員さんとも打ち解けてしまった私は、
はじめからツアーのメンバーだったかのように 当たり前のように空港までのバスに乗せてもらい、 サンフランシスコ国際空港に向かった。 両親の次の目的地はロスアンジェルス。 私はバンクーバーに帰る。 私の飛行機の方が先に出るため、 両親に見送られる形になってしまうのだが、 ここでまた親のウルウルに遭遇するのは嫌なので、 添乗員さんが両親に色々と説明している時を狙って、 「じゃ、私はそろそろ時間だから」 と、添乗員さんにお礼を言ってから軽く手を振って別れた。 すぐに角を曲がったので、両親の姿は見えなくなり、 ちょっと寂しいような気もしたが、しんみりされるよりマシか、と思って 自分の乗る飛行機の搭乗口に急いだ。 それからしばらくして、 旅を終えて帰国した母から手紙が届いた。 最後サンフランシスコの空港で、あなたと別れてから、 実は私達のいる場所から、あなたがずっと歩いて行く姿が見えていたんですよ。 海外で、たった一人で、堂々とバンクーバーに帰って行くあなたを見て、 本当に頼もしく思いました。 子供の頃、結核で死にそうになった事がウソのようです。 それと、あなたには黙っていたんですが、 実は2日目の夜、あなたと一緒に寝ていて、 あなたが寝返りを打ったとき、二人の足がぶつかったんです。 そうしたら、あなたは寝言で「ソーリー(Sorry)」と言ったんですよ。 いつの間にか、この子は私達親の手から遠い所に行ってしまったんだな、と 少し寂しく、でも同時に心から安心しました。 身体に気を付けて、満足の行くまでカナダで頑張ってね。 母より ソーリーって…。 と苦笑いしながら、実はポロポロ涙を流していた、私でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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