釣り師の酒蔵

しばらく釣りに行っていない為、今日は過去の釣行記を書きます。
大物釣った時だと自慢話になってしまうので、失敗談を。

場所は日立港沖堤防、カレイ釣りでは名が通ったところです。

その日はカレイシーズン盛期、薄日が差す良い天気だった。波も穏やかで釣り日和。いつもよりヒトデの攻撃も少なく、エサの消耗も少なめだが、当たりも来ない。　
潮汐から考え、およその潮時を考えておく。そして竿の面倒を見ながらも、離れたところで竿を出していた仲間の所に、ちょくちょくダベリに行っていたのだった。

仲間としばらくダベッて自分の竿の所に戻ると、「あっマズイ」。　道糸がすっかりたるんで大きな糸ふけが．．．

あわてて一番たるんでいた竿を手に取り、訊き合わせをする。鈍い魚の反応が伝わって来た。　
しかし、どうも反応の伝わり方が変なのである。重いのだが鈍いのである。本来ならここで気がつけば良かったのだが、ほったらかしにしていたので、あわてて巻き上げにかかったのだった。

「あれ、変だぞ」、重みが急に変わった上に、カレイ独特の突っ込みもない。　そして上がって来たのは、なんと別に出していたと自分の仕掛け。　一人オマツリをしていたのである。



しまった！　別の竿を上げた時だった。　今度こそ本当の引き。　道糸はさっきのオマツリで、もう堤防の近くまで来ている。　「ヤバイ」　と思ったが遅かった。　魚がぐんと下に突っ込む。　と、巻上げが止まってしまった。　堤防近くに沈めてあるケーソンに根掛かりしたのだった。　
（日立の沖堤防は、あまり近いとガッチリと根掛りします）


ぐっと引くとブルブルッと魚の反応がある。　その振動はしっかりと竿を揺らす、でも根掛かりは色々やったが、外れない。とうとう根掛かりを切る時の要領で強く糸を引く。

当然のように、力糸が結び目で切れて、空しく糸だけが上がってきたのだった。　糸と同じく空しい思いが背後を通りすぎたのだった。
それから気を取り直してまじめに攻めたのだが、釣れたのは木っ葉カレイだけ。　

カレイはいろんな食い方をする。　居食いと言ってほとんどアタリが出ない場合もあるし、40以上になると今回と同じように錘を引きずって泳ぎ回り、ほっておくと他の竿を巻き込んでしまうこともある。


それからはまじめに竿の面倒を見るようになりました。　あのときの魚の感触は、何年もたったのに、未だに手に残っています。　

この頃からです、釣果が上向きになり始めたのは。