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テーマ:海外生活(7774)
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朝起きたら霙交じりの雪だった。
夫は、窓の外を見るなり、「タイヤを替えなくては・・」とガレージで作業を始めた。今日は、ボンとハノーファーに行く予定になっていたので、昨日、「夏タイヤから冬タイヤに交換したら?」といっておいたのに、長距離を走る場合、冬タイヤのほうが燃費がかかるので、帰ってきてからにする、と後伸ばしにしていた。 ドイツの場合、北が寒く、南のほうが暖かい、という図式は当てはまらない。特に冬は南ドイツのほうが厳しい。北は低地で、南のオーストリアとの国境沿いはアルプスが連なるからだ。南でも、ライン川沿いやボーデン湖あたりは比較的温暖だが、私が住むのは山地になるので雪が降りやすい。北に行くので、雪や凍結の心配はないと思うが、事故があった場合、夏タイヤのままでは保険が適用できないので、やはり燃費が悪くなっても、冬タイヤにすべきだと思う。 ところで今日は11月9日。ドイツでは、11月9日に歴史に刻まれるたくさんのことが起こっている。20世紀以降では、「1918年11月9日、ドイツ革命で皇帝ヴィルヘルム2世がオランダに亡命。社会民主党党首のフリップ・シャイデマンがドイツ共和国樹立を宣言」「1923年11月9日、ナチスのミュンヘン一揆が鎮圧された」「1938年11月9日、ポグロムナハト」「1989年、ベルリンの壁崩壊」。 「ポグロムナハト(Pogromnacht)」はクリスタルナハト、もしくは、水晶の夜といったほうが通りがいいかもしれない。確か、私は学校の世界史でそう習った。しかし、ドイツでは、現在はポグロムナハトという言葉のほうを使っているようだ。ポグロムとは、ロシア語で破滅、破壊を意味するらしいが、「ユダヤ人に対して行われる集団的破壊行為」という意味もある。より直接的な言い方をしているのは、「水晶の夜」という言い方では、ナチスによる残虐行為を美化されてしまう恐れがあるからだろうか? そして、20年前の11月9日は、ベルリンの壁が事実上崩壊した日。ドイツにとっては大きな意味のある日だが、祝日にならなかったのは、忌まわしい事件のあった日と重なるからだ、と聞いたことがある。今年は20周年なので、新聞でもニュースでもかなり大きく取り上げられている。 しかし、20年たっても、依然として旧東西ドイツの間には経済格差がある。確かに、旅行で東ドイツに行くと、町並みとか道路状況が西と違うかなーと感じる。旧東の8人に一人は壁があったほうが良かったと思っている、というアンケート結果もあるそうだ。また、若い世代ほど、どちらの出身かということを気にしていないそうだが、私ぐらいの年代だと、自分のことを、「旧東の出身だから・・」と言う人がいる。でも、旧東側に住んでいる人で、自分のことを「旧西の出身」と言う人はいないのではないかと思う。そこにいまだにコンプレックスが見え隠れするが、徐々に薄くなって、ニコちゃんが大人になる頃には、なくなっていることだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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