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カテゴリ:子供
恵子は、「メドゥーサ」。黒いシャツに黒いロングスカート。髪には賢浩から借りたゴム製の蛇を何匹もつけていた。 賢浩は、ドラゴンボールの主人公「孫悟空」。去年、東京の実家からオレンジで亀の文字の入った孫悟空の服が送られてきた。本当はパジャマなのだけど、本人はそれを見た時から、「来年は孫悟空になる。」と決めていた。 頭は、「卵白」でがちがちに固めた。 去年は、やはりドラゴンボールのキャラクターの「べジータ」になった。その時は、ジェルで髪を固めていったのだけど、すぐに形が崩れてしまった。でも、卵白パワー恐るべし。半日たっても崩れていなかった。 去年のべジータは、誰にもわかってもらえなかった。今年は、2人の友達が、「孫悟空だ!」とすぐにわかってくれたらしいが、それ以外の人は、 「何の仮装? えっ、孫悟空? 誰、それ?」 という反応だったらしい。でも、本人は全然気にしていなかった。まあ、こういうのは、受けを狙ってするのではなく、あくまでも自己満足のためだから、賢浩が自分で格好いいと思っているのなら、いいんじゃないのかな。 ニコちゃんは、ピカチュウ。実はこれもパジャマなんだけど、ドイツではこんなの売ってないから、誰も気づかないはず。カーボーイの衣装もあったのだけど、帽子をかぶるのを極度に嫌がるので、ピカチュウになった。ほっぺを赤く塗ってあげた。 今日は、幼稚園から「できたら来ないで欲しい」と言われていたのだけど、こういう日に限って、早く(といっても8時ごろ、でもいつもは9時まで寝ているから、早いほう)起きて、「幼稚園に行こう」などと言い出す。しかし、「来るなら10時以降にしてくれ」と念を押されていた手前、本人が珍しく行く気になってくれても、連れて行くわけにはいかない。 しばらく一緒に遊んでいたら、「幼稚園モード」がしぼんでしまった。10時ごろ、嫌がるニコちゃんを無理やり連れて行く形になってしまった。 町の伝統的な仮装をした集団が幼稚園を訪れていた。彼らがちょうど帰るところだった。魔女とか、悪魔とか、牙をむき出したねずみとか、いろいろなキャラクターがいるのだけど、結構みんな怖い顔をしている。もともと、冬の邪気を追い払うための儀式のお面だったので、愛嬌はない。小さい子は本気で怖がって、泣く子もいる。日本でいえば、秋田のなまはげとか、あんな感じ。ニコちゃんは怖がるだろうから、登園するなら、彼らが帰る10時以降に来なさいといわれていたわけである。 ニコちゃんは、幼稚園でも私の手を離さず、帰ろう、帰ろう、を繰り返す。 「今日は、ママもいるから、大丈夫だよ。」といったけど、「そんなこと言っても帰ってしまうのでは・・」と不安だったようで、私から片時も離れようとはしなかった。 隣のクラスに、近所に住むヤコブ君がいる。今日は、クラスごとではなく、全員でパーティーだったので、ヤコブ君とも一緒に過ごせる。ヤコブ君は幼稚園の中で唯一のニコちゃんの知り合い。先生もそれを知っているので、ヤコブ君の担任が、「ヤコブ、ニコは、不安になっているから、一緒にいてあげたら?」といってくれた。 ヤコブ君は、中世の騎士の格好をしていた。布でできた鎧のベストと被り物をしていた。特にメイクはしていなかったので、すぐにヤコブ君とわかる。でも、ヤコブ君は、「ニコは自分のことを本物の騎士だと思ってしまったので、怖がって不安になっている」とかわいい勘違いをしていた。 「ニコ、僕は本物の騎士じゃないよ。ただ、騎士の衣装を着ているだけだよ。」といって、被り物をとってみせた。「ほら、僕は、ヤコブだよ。」というのだけど、ニコちゃんは、無反応。 すると、ヤコブ君は、ベストまで脱ごうとしてくれた。「そんなことしなくてもいいよ。」といったのだけど、「でも、ニコは、僕がヤコブってわからないんだよ。本物の騎士だと勘違いしているから、怖がっているんだ。だから、ニコにそうじゃないよって説明したいんだ。」と言ってくれた。なんてやさしい子なんだろう!子供って本当にかわいい。 今回の仮装のテーマは、「職業」だったので、警察官が多かったが、やはり定番のお姫様とか魔女もたくさんいた。カーボーイも、海賊も、スパイダーマンもいた。 10時から、立食パーティーだったのだけど、ニコちゃんは何も飲み食べしなかった。家にいると、いつも何か食べたがるのに、幼稚園では、食欲ゼロになるようだ。 その後、各クラスに分かれて、ゲーム。ニコちゃんのクラスでは、「ジェスチャーによる、職業あてクイズ」をした。かごの中に入っているメモをひいて、そこに書かれている職業をジェスチャーで表現、他の子があてるというゲーム。でも、答えるのは、ほとんど5-6歳児。3-4歳時はみているだけになってしまう。一番早く正解した子はグミベアがもらえるのだけど、同じ子ばかりが答えてしまい、「僕は、まだ一個もグミをもらってない。」と泣きそうになる子も出てくる始末。すでにグミベアをもらった子は、回答してはいけない、と先生が言っても、すぐに大きい子は答えてしまう。 私は、ニコちゃんの後ろのほうで座ってみていた。ニコちゃんは、時々私がちゃんといるかどうか確かめていた。でも、私がいるので、おとなしく一人で座っていた。 Frauハーガのひざの上には、4歳の男の子が座っていた。その子がちょっと立ち歩いた瞬間に、3歳の女の子(当の4歳児の妹)がすーっと来て、Frauハーガのひざの上に座った。小さい子はみんな、Frauハーガのひざの上に座りたいと思っているのだろう。でも、ニコちゃんがいると、一番小さいし、泣いてばかりいるから、Frauハーガはニコちゃんの面倒を見ざるを得ない。ニコちゃんに早く幼稚園になれて欲しいと思うけど、他の子のことも考えないとなーと思った。 時間が来たので、次の教室に移り、別のゲームをすることになった。ニコちゃんの教室には、別のクラスの子達が入ってきたので、一時的にごったがえして、ニコちゃんの視界から私が一時的に消えてしまったようだ。それで、また大泣き。結局、この時点で帰ることにした。 本日のニコちゃんの幼稚園滞在時間、40分。明日から火曜日まで、幼稚園も学校も休み。これでまた、ニコちゃんの幼稚園モードがグーっと下がってしまうのだろうなー。涙 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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