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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2010年04月26日
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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:子供
土曜日に、小包が届いた。受取人払いになっていたので、12ユーロ(約1500円)請求された。通信販売会社の箱に入っており、頼んだ覚えがない。不審に思い、送り主を確認したら、日本領事館からだった。中身は教科書だった。

今までは、簡易小包で送られてきており、送料も5ユーロ程度だった。なんで、今回はこんなに大きいのかな?と不思議に思った。

開けてみて、謎が解決。日本にいれば、恵子はこの4月から中学生。その事実に、教科書をみて初めて気が付いた。
中学生ともなると、科目も増えるし、教科書の厚さも全然違う。今って、教科書もA4サイズなのだなー。B4版の教科書なんてもうないのかな?

恵子が真っ先に手に取ったのは、音楽。今は、音楽も、「音楽」と「器楽」の二つに教科書が分かれていることを初めて知った。

「保健体育」と「家庭科」はドイツにはない科目。家庭科では、料理の仕方や、ボタン付け、アイロン掛け、ミシンの掛け方なども学習するようで、日本の教育はすばらしい!と思った。しかし、気になったのは、家庭科の教科書で、「幼児が楽しく生活できるために」にという項目があったこと。「幼児にあったおもちゃを考えよう」「幼児のおやつを工夫しよう」「幼児が身につけるものを工夫しよう」「幼児と遊ぼう」などなどのテーマが与えられていた。

「これって、ニコちゃんと一緒に遊ぶことを奨励しているみたいだね。」と恵子に言ったら、「なんでこんなこと、中学で勉強するの?」と首をかしげていた。

「地理」「歴史」ももちろん、ドイツの教科書とは全く内容が異なる。日本では、日本史が中心で、かなりドメスティックな感じがする。しかし、ドイツは、最初から今の領土だったわけでも「ドイツ」という国名であったわけでもないので、ヨーロッパを中心に、欧米の歴史を習う。7年生(日本で言えば中1)の時は、ローマ帝国の盛衰を中心に習った。8年生の現在は、イギリス産業革命、フランス革命から、アメリカ独立、南北戦争、そして、第1次世界大戦後までを習うようだ。

英語の教科書は、恵子には、ばかばかしすぎるほど簡単な内容なので、パラパラとめくって、後は興味なさそうだった。しかし、「This is a pen.」が最初に習う構文の時代の私にしてみれば、実践的で、楽しく学習できるよう教科書が工夫されていて、うらやましく感じた。

これらの教科書は、海外に住んでいても、日本国籍保持者には、無料で配布される(送料だけ負担)。ありがたい反面、申し訳ないとも思う。正直に言えば、全教科はいらない。しかし、教科の選択はできない。作業が複雑になりすぎるからだろう。

昨日の新聞に、ギリシャの債務をEUが助けるべきか?という質問に、ドイツ人の86パーセントが「Nein(いいえ)」と回答しているというグラフが出ていた。ギリシャは、放漫財政により、財政危機に陥っている。ギリシャが勝手にしてきたことの尻拭いを、なぜ、ドイツ人がしなくてはいけないのか?というのが、ドイツ人の大半が思っていること。EUが財政負担をするとなると、ドイツの負担が一番重くなるからだ。
いかに、ギリシャの財政がひどいか、というのを示すため、世界各国の財務状況が一覧になって出ていた。国の負債がGDPに占める割合、という表で、ギリシャは、123パーセントで、堂々の世界トップ・・といいたいところだが、実は、更に上をいく国があった。日本の債務は、「203パーセント」。ぶっちぎりの世界1位。2位がギリシャになっていた。

子供手当ての大判振る舞いもそうなのだけど、教科書の無料配布も、ちょっと考えたほうがいいのでは?と思った。私は、無料配布の恩恵にあずかっている身だけど、やはり、無料ならそのうちの1-2冊しかいらなくても、とりあえずもらっておこう、となる。教育にお金を掛けるのはいいことだけど、ドイツのように、教科書を無償貸し出しにして、返還を義務付けるとか、兄弟がいれば、使い回しをしてもらうとか、何かいい方法はないものか、と新聞をみながら思った。






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最終更新日  2010年04月26日 17時25分24秒
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