ドイツでマルチリンガルを育てる

恵子がクラスメートと「自宅でフルコース料理のおもてなしをする」というテレビ番組を真似たことをしている。
昨日は、恵子が友達をもてなす番だった。

Cちゃんは、ちょっと離れた場所に住んでいて、６時半ではバスの時間が合わないので、７時開始にしようと前日に集まった時に決めた。しかし、当日のお昼にCちゃんから、お姉ちゃんが送ってくれるから６時半にいける、と電話があった。その時、ついでに、「今日のメニューは何？」と根掘り葉掘り聞かれたらしい。火曜日にCちゃんの家で開催されたディナーでは、デザートにバナナミルクシェーキが出されたのだけど、恵子はミルクシェーキが苦手で飲めなかった。昨日は、Lちゃん宅でディナー。前菜はサラダだったのだけど、Cちゃんは野菜が食べられない。そういうことがあるので、メニューが気になるみたいだ。
Lちゃんからもその後、同じような電話がかかってきた。「トマトは入っているか？」とか「餃子って何？　材料は？」とか、横で電話の内容を聞いていて、私は笑ってしまった。

昨日は、お昼前から用意を始めた。私はアドバイザー役。
メニューは、前菜：茶碗蒸し、メイン：サーモンときゅうりの巻き寿司、キティちゃんの型押しご飯、水餃子、デザート：三色ゼリーとりんごのフリッター。
３色ゼリーは、前の日から作っていたのだけど、一番上の緑色のゼリーが固まらず、やり直し。
巻き寿司を作るのは、恵子は初めて。最初はきっちり巻けずに悪戦苦闘。でも、一番苦労したのは、巻き寿司を切ること。よく切れる包丁を使っても、ご飯のべたつきで、うまく切れない。せっかくのお寿司が、見た目がいまいちになってしまった。
餃子の皮も手作り。
中味には、キャベツのみじん切りをたくさん入れたのだけど、これは失敗。こちらのキャベツは日本のより肉厚で硬い。それでも恵子は芯までも几帳面にみじん切りして使っていたので、塩でしんなりさせても、キャベツの歯ごたえが残ってしまった。

６時半過ぎて、ぞくぞくと恵子のクラスメートが集まったきた。
まずは、茶碗蒸し。コーヒーカップで作り、ソーサーにのせてスプーンを添えて出した。なかなかおしゃれ。一人をのぞいて完食。Jちゃんは、まったく受け付けなかったようだ。

つづいて、お寿司を出し、たべてもらっている間に、水餃子作り。あらかじめ作っておいた餃子を茹でる。
そして、キティちゃんの型押しにぎり。ニンジンのリボン、グリンピースの目、コーンの鼻、のりのひげ。かわいいと好評だった。

みんながメインを食べている間、恵子はデザート作り。フリッターの衣を作る。
りんごを八つ切りにする。
隣のダイニングルームから、「もうおなかがいっぱいで、お寿司全部食べきれないけど、家に持って帰りたい。」と声が聞こえた。みんなに容器を渡すと、お寿司や餃子をそれぞれ詰め始めた。お皿の上は空っぽになった。恵子は、ほとんど自分で食べることができなかった。

デザートはもう少し後にする？と聞いたら、やはりデザートは別腹のようで、すぐに出してもいいといわれた。そこで、まず、３色ゼリー。見た目がとてもきれいなので、みんなから歓声が上がった。
そして、りんごのフリッター。シナモン砂糖をかけたのだけど、「蜂蜜をかけたい」と言われた。蜂蜜で食べるとすごくおいしかったようで、これも大好評。

今まで４人がディナーでもてなしたけど、今のところ恵子がトップの評価を得ているようだ。土曜日に最後の一人がもてなす。彼は、マンゴープディングに挑戦するそうだ。すごい！

ディナーのあと、５人でゲームをして遊んでいた。途中からニコちゃんと賢浩も加わった。恵子以外の子には、小さな兄弟がいないせいか、ニコちゃんは大人気だった。かわいい、かわいい、と言って、みんなニコちゃんをデジカメで喜んで撮影していた。小さいと得だなー。

１０時ごろ、夫が４人をそれぞれの自宅まで送り届けた。
恵子に、こんなに仲良しのクラスメートがいるなんて、うれしい。やっぱり子供が友達と仲良くしている姿を見ると、本当に幸せな気分になる。