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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ニコちゃんの言語発達
今週は日中はかなり暖かく、金曜日は20度近くまで気温があがった。でも、朝晩は冷え込み、朝方は霜が張っている。1日の中で気温の変化が大きいので、体調を崩しがち。
夜、息子二人がテレビでサッカーの試合を見ていた。ドイツ対カザフスタン。それぞれの国歌斉唱のあと、日本の大きな旗と「私達はあなたたちと共にいます。」というような横断幕が掲げられ、選手と観客が日本の被害者のために黙祷してくれた。こういうシーンをみると感動する。いろいろなところで、募金活動や黙祷などの活動の輪が広がっている。そういうことを、自らイニシアチブをとって頑張っている人をみると、頭が下がる思いだ。 ニコちゃんが、2週間ほど前に受けた4歳児検診で、聴力と言語発達に関してイエローカードをもらったので、昨日専門家に診察してもらった。うちから約100kmも離れているのだが、紹介された女医さんは子供の聴力や言語発達のエキスパートだそうで、きちんと調べてもらったほうが安心する。 軽く問診があり、その後聴力テストを行った。テストの仕方は、4歳児検診の時と同じで、ヘッドホンをつけて、音が聞こえてきたら合図するというものだった。いろいろな周波数の音をボリュームをだんだん大きくしていきながら聞かせる。ニコちゃんは、質問の意味がわかっていなかったので、私が横で日本語で何度も噛み砕いて説明した。でも、ニコちゃんは、最後まで何をするのかを理解できず、検査官が「聞こえる?」と聞くと、「聞こえる。」と答え、「聞こえない?」と聞くと、「聞こえない。」と答えるだけ。「聞こえていますか?」と聞くと、「聞こえていますか。」と言うし、全く埒が明かなかった。どちらの耳から聞こえるかと言う質問には、最初に右から聞こえると、音が聞こえる方向が変わっても、右側を指し続ける。いちいち、「今はどっちから聞こえる?」「今度は?」と聞いても、右なら右、左なら左だけを指し続ける。 4歳児検診の時も噛み砕いて説明しても同じ結果の繰り返しで、検査をする人はとうとうさじを投げてしまったのだが、ここはさすがに専門クリニックだけはある。検査官は、「ニコは、言葉を鸚鵡返しにするのが好きなのね。」といって、機械的な周波数ではなく、簡単な言葉のCDを聞かせることにした。それで、CDから聞こえてくる言葉を繰り返すという課題に変えた。まず、右の耳だけ聞こえるようにセットして、CDを聞かせた。ヘッドホンで聞いているので、私には全く聞こえない。だから、どんな声でどんな速度で言葉が流れているのかわからないのだが、最初、ニコちゃんは、黙ったままだった。検査官が、「なんか聞こえた?」と聞くと、コクンと頷いた。「なんていってた?」と聞いたら、ニコちゃんは、「マ・マ」と小さい声で答えた。「すごい!」と検査官にほめられ、気をよくしたのか、そこからは順調だった。テラー(皿)、ハウス、ハーゼ(うさぎ)、ブルーメ(花)、アイマー(バケツ)など、幼児になじみの深い短い言葉ばかりだった。小さいボリュームにして聞かせ、今度は左耳からだけ聞こえるようにセットして、同じような繰り返し。ニコちゃんは、ほとんどパーフェクトだった。これで、ニコちゃんの聴力には問題がないと診断された。 結局ニコちゃんの問題は「表現面における言語発達障害(Sprachentwicklungsstoerung - expressiv)」で、専門家にもやはり「Logopaedie」(言語療法)を勧められた。それで、家に帰ってきてから、すぐに地元の言語療法士に電話をして予約を取り、それから小児科医のところに、「処方箋」をもらいに行った。言語療法の費用は健康保険でカバーされる。小児科医で発行してもらった「処方箋」には、週1回45分のセラピー、10回分とあり、診断の欄には、「3カ国語環境による言語遅延(Sprachentwicklungsverzoegerung bei Dreisprachigkeit )」と書いてあった。 3カ国語環境は、確かに子供には負担かもしれないが、上の子供二人の時は、なんの問題もなかった。なぜ、ニコちゃんがだけが、こんなにも大事になっているのだろうか??本当の問題はどこに存在するのか私にはわからない。 ニコちゃんの脳の発達に問題があるのかと、インターネットで少し調べていたとき、とても興味深い記事に出会った。ハーバードの教授で、ドイツ語、日本語、英語の3ヶ国語環境で育った方の記事だった。その方は、学校でフランス語を習ったとき、他のクラスメートが悪戦苦闘しているとき、自分はすんなりと覚えられ、それは、小さいときから多言語環境で育ったから、新しい言語習得に適応しやすいのだと気づいたのだそうだ。確かに、恵子を見ていると、ものすごく言語感覚がいい。でも、賢浩を見ていると、凡人とかわらない。ニコちゃんにいたっては、今のところ、言語に関しては、凡人以下。恵子と息子二人の決定的な違いは、テレビを見る時間の多さ。恵子は、テレビをほとんど見ず、暇があれば音楽を聴いて、本を読んでいる。息子二人は、テレビやDVDでマンガばっかり見ている。結局は、小さい頃から何ヶ国語に触れているかではなく、本を読む子かテレビを見る子かの違いがアカデミック面で大きな違いを生むのだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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