恵子は、今日の午後、研修を希望する病院で面接があった。土曜日に実際に行ってみたので、道順もばっちり。一人でも行けるというので、そうさせた。ドイツでは、14歳以下は子供料金。電車の中で検札がまわってきて、切符をチェックされたらしい。検札官に、「子供料金なの? 身分証明書をみせて」と言われたそうだ。「持ってません。」といったら、「じゃあ、生年月日を言って。」と言われ、「次からは、身分証明書を持ち歩くように」と注意されたそうだ。でも、日本の中学のように生徒手帳なんて交付されないし、身分証明書なんてパスポートぐらいしかない。
土曜日に見学に行ったときは、「もしかして、介護や看護の仕事をさせられるのかも・・。」とやる気をなくしてしまったようにみえたが、今日は、「すごくよさそうなところだった。」とうれしそうな顔で帰ってきた。面接といっても、恵子と担当者の二人だけで、質問は、「どんな研修を期待しているのか?」ということぐらいだったそうだ。すでに、受け入れてもらえることが前提になっていたそうだ。「脳神経外科では、どのように患者さんを診察するのか、どのような検査をするのか、また、どのような患者さんがいるのかを知りたい。」と自分の希望を言ったら、「わかりました。本来、生徒の研修では看護をしてもらうことになっているが、あなたの場合は、1日2時間ほど看護の仕事を手伝ってもらい、そのほかの時間は、脳神経科を見学してもらいます。」といってくれたそうだ。脳神経科の仕事のすべてを見学できるように配慮もしてくれるそうだ。月曜日から金曜日の5日間だけだが、朝8時から夕方5時まで、休憩をはさんで、1日8時間の研修。今日も、病院内をいろいろ案内してくれたそうだが、たった1時間で、くたくたになって帰ってきた。
それにしても、14、15歳ですでに職業研修をするなんて、たった1週間といえども、すごいと思う。
明日は、ドイツでは父の日。面接の帰りにスーパーに寄って、恵子は、ケーキの材料を買ってきた。現在、パパへのケーキを作るため、台所で奮闘中。母の日にも焼いてくれたけど、台所があまりにも汚くて、夫に怒られていた。夫は、まだ帰ってきてないけど、今回は、素直にケーキを喜んでくれるといいなー。恵子も、前回の失敗を教訓にして、今回は後片付けもきちんとしてくれると私もうれしい。
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