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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2012年12月09日
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カテゴリ:子供
昨日、恵子から電話があった。
昨日の午後は、数学の対抗戦に参加したそうだ。 恵子たちの学校の11年12年生の生徒 VS 地元の教育大学の数学科の学生。有志5人同士の対決。問題は6問あり、それぞれを解いて、解き方をプレゼンテーションする。大学生レベルのかなり難しい問題だったそうだが、恵子たちのチームは12年生の子が解いて、恵子たち11年生がプレゼンテーションしたそうだ。結果は、恵子たちの学校の勝ち。高校生対大学生。しかも、数学専攻の学生の学生相手に勝つのだからすごいなーと思う。毎年、この対抗戦は行われていて、ほぼ毎年恵子たちの学校が勝つそうだ。

電話では、「2時から6時まで、対抗戦があって、午後はずっと数学をしてたよ。でも、楽しかった。」と明るい声で話してくれた。 昨日は、夫も話したそうだったので、かわってあげた。

恵子は、技術クラブに入っている。6月にアメリカで大会があり、現在その大会にむけて準備中。そのことで、夫にも相談していたことがあるので、夫は、いつも、真っ先に恵子に進捗状況を聞く。いつも返ってくる答えは、「今月までにアイデアをまとめなくてはいけないのに、誰もアイデアを出さない。誰も何もしない・・・」という愚痴ばかり。いつも、恵子しかアイデアを考えてこないので、「そのアイデアでいいよ。」とみんな言うそうだ。しかし、顧問の先生は、「そのアイデアは良くない。」といつもダメだしをする。でも、建設的な意見は何も言わない。それで、振り出しも戻り、また恵子だけがアイデアを出し、部員は「それでいいよ」と言うけど、先生に「それではダメだ。」と言われる・・・の繰り返し。
恵子は、「プロジェクトリーダー」で、自分がまとめないといけない、とすごくがんばっているが、部員は何も協力してくれないし、先生も批判するだけで、心が折れてしまったようだ。

夫は、「恵ちゃんが一人で頑張ったところで、もし、発表が成功すれば、手柄はみんなのものになるし、失敗すれば、批判は恵ちゃんにだけ集中する。世の中そういうものだよ。それでも、みんなに協力してほしければ、たとえば、ミーティングをハンバーガーショップでしたり、ケーキを買ってきてお茶を飲みながらみんなで話し合うとか、インセンティブを与えないと、人間は動かない。 そのための費用は、パパが出してあげるよ。」と言っていた。
「社会にでたら、こんな場面はたくさんある。マネージメント能力、人心把握能力を勉強するいい機会だ。若い頃からそういう状況に立ち向かえる能力を養え!」

夫と恵子の会話を隣の部屋で聞きながら、賢浩は、「恵ちゃんはかわいそうだなー。こんなに離れているのに、電話でパパに説教されているんだから・・・」と言った。

夫がかなり長いこと恵子と話した後、また私に電話が回ってきた。
恵子は泣いていた。
恵子は本当に一生懸命アイデアを考えたり、どうしたら、アメリカでの大会で成功できるか考えている。でも、周りの誰もが恵子についてこない。だけど、自分はリーダーの立場。もう、やめたい、と言えない。・・・・

私は、「ママが恵ちゃんの立場だったら、部活を辞めたい、って言うと思う。」と素直な感想を言ったら、「私はプロジェクトリーダーだから、そんな無責任なことはできない。」と言った。
「ハンバーガーショップでミ-ティーングを開いても、おごるから、と言えば、みんな来てくれるかもしれないけど、おごってもらったから、恵ちゃんのために頑張ろう、とはならないと思う。」
「ここまで恵ちゃんが行き詰っているなら、信頼できる先生に相談してみたら? ここまで頑張ったけど、これ以上はできない、とさじを投げてもいいと思う。」と夫とは正反対の私の意見を伝えた。

このプロジェクトは、企業にスポンサーになってもらうので、1週間のアメリカ滞在だが、個人負担は300ユーロ程度。アメリカに安くいける・・・という「魅力」のため、参加している部員もいる。つまり、観光気分なのだ。

親としては、夫のように、「あきらめるな。頑張れ。」と言うべきなのかもしれない。でも、私は、これ以上、恵子が苦しむ姿を見たくないから、無責任と非難されても、恵子には辞めて欲しいと思っている。





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最終更新日  2012年12月11日 23時01分18秒
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