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カテゴリ:子供
1月6日は 東方三賢者の日で私が住んでいる州は祝日になっている。
ドイツでも、北のほうはエバンゲリッシュのほうが多いので、今日は祝日でもないらしいが、南ドイツはカソリックが多く、祝日。そして、各町にあるカソリック教会が、「Sternsinger」というチャリティーを行っている。東方三賢者に扮した子供たちが各戸を訪問し、歌を歌い、寄付を募る。たいてい、寄付金だけでなく、子供たちにお菓子を上げたりもするので、賢浩は、近所の人に誘われ、お菓子目当てで参加している。もらってくるお菓子の量がすごくて、4日間参加すれば、段ボール箱一杯分ぐらいにはなる。 恵子の場合は、もう大きいので、付き添いの大人をつけずに、子供たちだけで各戸を回る。しかし、通常は、子供3人に大人一名が付き添う。20グループぐらいあるので、大人も20人程度必要。それで、昨日は、夫も付き添いとして回った。 夫は、賢浩のグループを担当。賢浩と近所の長男君とその友達。12歳、11歳、11歳、という内訳。長男君とその友達はともにカソリックで、普段から教会の仕事に深くかかわっている。各戸を訪問するのも3日目で、3人ともお互いを知っている間柄だし、付き添いは賢浩のパパ。3人とも緊張感がなく、最初からおふざけモードだったらしい。彼らの態度はものすごく悪く、ドアベルを一度ではなく、何度も鳴らしたり、ドアが開くまでお互い悪態を付き合ったり、あまりにもひどい態度でここに書くのははばかられるようなことをしたり、とんでもない状態だったらしい。その話を聞いたとき、そんなことをする子供がこの世にいるのが信じられないと思ったぐらいだ。賢浩に正したら、「長男君はその家に何回も来たことがあって、毎年、その家はドアを開けないし、寄付しないって言ってたから・・・」と言った。寄付なんだから、ドアを開けるのも寄付するのも相手の自由意志だということがわかっていない。本当に子供たちが来て歌ってくれることを心待ちにしている人もいるが、そうでない人も大勢いることを知るべきだ。 昨日は、その日の決められた範囲を訪問し終え、教会に帰る途中、長男君がずっと賢浩にちょっかいをだしていたそうだ。賢浩も一緒にふざけていたが、そのうちふざけるのに飽きてきたのか、「やめてくれ」と長男君に言った。でも、全くやめず、どんどんエスカレートしていく。夫は前を歩いていて、後ろを見ていなかったそうだが、突然、長男君の泣き声が聞こえ、振り返ると、長男君が地面に倒れ、まわりにお菓子が散らばっていたそうだ。長男君のしつこいからかいに頭にきた賢浩が長男君を殴ったのだ。 子供たちは、東方三賢者の格好をしており、星まで持っている。誰が見ても、「Sternsinger」の子供たちだとわかる。そういう格好で、道路でけんかをするって、信じられない。 賢浩は、「あいつが悪いんだ。やめてくれと何度も言ったのにやめないから、殴るしかないだろう。」と反省の色もない。もちろん、夫は、賢浩をしかった。「お前だって最初は一緒にふざけていただろう。それにお前が一番年上なんだ。殴るのはよくない。」 賢浩も泣き出し、二人の子供が東方三賢者の格好をしながら泣きながら歩いている。そんな光景を想像しただけで、情けなくなる。 夫は、賢浩と長男君を同じグループにするのはやめてくれ、と頼み、賢浩を監視するため、今日も一緒に賢浩のグループの付き添いをすることになった。 賢浩のおろかな行動により、周りの人に、「Strensinger」や「カソリック教会」に悪い印象を与える可能性もある。一生懸命に活動している人に申し訳ないと思わないのか?と賢浩に諭した。賢浩は、「そこまで考えたことがなかった」と言った。 賢浩は、もうやりたくない、と言ったが、急に欠席者がでては困るので、今日も行くように伝えた。 この「Strensinger」のチャリティーには、毎年、50人以上の子供が参加する。でも、それでも、足りないらしく、ここ数年は、町の全地域を訪れることはできなくなっているそうだ。賢浩は、2時ごろに出かけていって、8時ごろに帰って来る日もあった。衣装に着替え、メークアップをしたり、終わってからメークアップを落としたりするのにも時間がかかるし、途中、休憩もするけど、それでも、4時間以上歩きっぱなし、歌いっぱなし。かなりきつい仕事ではある。お菓子をもらえるからといって、みんながやりたがるわけではない。だから、うちのように全くカソリックに関係ない家にも声がかかるのだ。 しかし、今回のことは、役に立っているというよりは、むしろ、教会に泥を塗る行為。来年は本人ももうやる気はないようだが、はじめから声がかからないかも知れない。 昨日は、正月早々ショックだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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