ドイツでマルチリンガルを育てる

子供の近況　二人目は賢浩

月曜日に保護者会があった。
担任は二人いるのだが、そのうち一人は去年定年を迎えたのだが、退職せず、今年も引き続きクラス担任。もう一人は新任の若い女性の先生。
午後７時始まりだったが、始まる時間に、ベテラン先生が教室を出て行ってしまい、新任先生が仕切ればいいのに、何もせず、そのまま待つこと１５分。
みんなが痺れを切らした頃にようやくベテラン先生が二人の保護者をつれて教室に入ってきた。「遅れてすみません、Cのご両親を迎えに行っていました。」と謝った、Cちゃんというのは、８年生からこのクラスに入ってきたスペインからの転校生。あまりドイツ語が出来ないらしい。そういう子が、いきなりギムナジウムの８年生に編入できるのかと驚いたが、８年生からは選択授業でスペイン語が５時間履修できる、賢浩のクラスの新任担任は、スペイン語の先生。そして、賢浩のクラスはバイリンガルコースで、英語の授業のほか、歴史と地理が英語で行われる。Cちゃんは、ドイツ語は出来ないけど、英語は出来るし、スペイン語で担任のサポートも受けられるので、賢浩たちのクラスに編入することになったのだろう。保護者会の最中も、新任担任が、Cちゃん両親の隣に座って通訳してあげていた。うらやましい光景であった。

今年、賢浩たちのクラスには、Cちゃんのほか、もう一人、去年の８年生の子が留年になり、その子も加わった。３減２増で現在クラスは２６人。

新任の先生は、賢浩のクラスではスペイン語だけを受け持っているので、賢浩とは接点がない。クラス担任なのに、残念。

今年から「化学」が科目として増えた。しかし、化学の先生が、病気で半年間休養することになってしまった。代わりの先生はこないので、学校間でやりくりしないといけない。それで、いったんきまった先生の割り振りが大幅に変わった。
休養することになった化学の先生は、数学も受け持っていたそうだが、化学や数学を大学で履修する学生は、教師になる人は少なく、不足しているそうだ。だから、代わりの先生を見つけることが出来なかったそうだ。科目によっては、教師以外の職業には就きづらいものもあるが、「化学」を履修していれば、いくらでも魅力的な企業はあり、そちらのほうが給料もいいので、流れてしまうのが実情らしい。

特に、議論が紛糾することもなかったし、特別な議題もなく、保護者代表も昨年度の担当者が「今年もしたいのですが、いいですか？」ということで、満場一致であっという間に決まったし、１時間ぐらいでお開きになった。

家にかえってきてみたら、案の定、ニコチャンと賢浩がDVDを見ていた。だから、夜出かけるのは、イヤなのだ。今回は、保護者会が１９時から始まったし、割と短かったので、終わって帰ってきても、まだ８時半だったが、今度から、働いている人も多く、１９時始まりはきついので、１９時半からにすることがと決まった。うちは、私がいないと治外法権のような状態になるのだけど、他の家では、そういうことは問題にならないのだろうか？　うらやましい。

先週の金曜日に、賢浩が待ちに待ったPCのケーブルがようやく届いた。
その前の週に、ケーブルもないから・・と思って、充電器に残っている分だけ使うのなら、と賢浩が自分でPCにアクセスできるようにしてあげた。我が家のインターネットは、器具をつけないとアクセスできないようにしてある。その器具はPCの数だけあるのだけど、賢浩には貸し出し制にして、自由にインターネットにはアクセスできないようにはしてある。しかし、金曜日にケーブルを手に入れてからは、ずーっとPCばかりつかっている。ゲームをしたり、DVDをみたり・・・。
夜中に一人で部屋でずっとPCを使っている。インターネットに接続しなくても、PCにはいろいろな使い道がある・・

それで、ケーブルも取り上げ、２日間に１回、フルチャージしてあげることにした。フルチャージすると、バッテリーが３時間ぐらい持つ。インターネットが使えるのは、２日で１時間程度。成績が落ちたら、バッテリーチャージを２日に１回から３日に１回にする、と伝えた。来週、英語と数学のテストがあるのだが、今、PC三昧していると、後で痛い目を見るよ、と脅している。
しかし、賢浩のことだから、絶対どこかで抜け道を探すはず。だから、勝手にチャージされないように、PCのケーブルとインターネットのケーブル、それとテレビのリモコンを隠し持っていないといけないので、私も面倒くさい。

とにかく、賢浩は、ああいえばこういう、ああすればこうする、で駆け引きばかりで、付き合うのが疲れる。