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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2013年11月14日
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カテゴリ:子供
月曜日はSt.Martinの日で、地元の教会の前で、毎年、幼稚園児と教会のコーラスグループに所属している子供たちが歌を歌い、物乞い役と馬に乗ったMartin役の人がパフォーマンスをする。寒いので、物乞い役の人は大変だなーと毎年思う。はしご車のクレーンを伸ばし、その上に照明器具を置き、そこから教会の前を照らしている。警察もそのあたりを通行止めにする。
ニコちゃんは、10月から教会のコーラスに入ったので、この日は参加してうたった。でも、すごい人だかりで、私はニコちゃんがどこで歌っているんかぜんぜん見えなかった。

そういうわけで、月曜日の夕方、私は家にいなかったのだけど、ちょうどそのとき、恵子から電話があったらしい。夫がでた。私は出かける前に、夫に恵子のことで先生に出したメールの返事を見せた。先生の返事の意味がわからなかったからだ。それで、夫は、恵子に、「ママが先生にメールしたから、もしかしたら、先生から何か聞かれることがあるかもしれない」と言ってしまった。実は、私は、恵子に内緒でメールを出していた。恵子に言ったら、絶対に「やめて」といわれるのがわかっていたからだ。普通、先生にメールを出すとき、ドイツ語の間違いがあったら恥ずかしいので、恵子に添削してもらう。でも、今回は、恵子に内緒にしたかったので、賢浩に添削してもらった。賢浩は、「最後に、匿名にしてください、って書いたほうがいいよ」とアドバイスしてくれた。私は、そこまで考えていなかったのだけど、「恵ちゃんが、友達に嫌われたらいやでしょ。」と賢浩が言った。ちょっとはまともな考えができるのだなーとびっくりした。

家に帰ってきてから、夫に「恵子に言ったら、えー、大丈夫なのに、なんでそんなことしたのかなって言ってたよ。」といわれ、びっくりした。「なんで、恵ちゃんにいっちゃうの?」と聞いたら、「えっ、恵子に内緒でメールしたの?」と夫はびっくりしていた。実は、メールは、夫にも相談しないで、私の独断でだした。だから、文面を相談するのが、賢浩しかいなかったのだ。

月曜日は、友達の歌のテストのため、恵子は4曲もピアノの伴奏をすることになっていた。火曜日は本人のバイオリンのテスト。そのために、ものすごい練習をしていた。火曜日の夜に電話がなかったので、もしかして、夫が変なことを言ってしまったために、動揺して、パフォーマンスがうまくできなかったのかな、と心配になった。それとも、もしかして、勝手な行動をした私に怒っていて、もうママには電話しない、と思ってしまったのかもしれない、とか、いろいろ考えてしまった。

水曜日の朝に電話があった。元気な声で、「バイオリンは14点だった。私が伴奏した友達も14点だった。」と報告があった。14点というのは、「1」。最高は15点の「1+」だが、14点でも立派な成績。パフォーマンスの後、先生からいくつか質問されるのだそうだが、恵子の友達は、その質問にうまく答えられなかったし、歌も、息継ぎがうまくできないところがあったらしく、テストが終わった後、泣いていたらしい。でも、結果は14点で、とても喜んでいたそうだ。
先生の、恵子への批評は、「質疑応答はパーフェクトだった。パフフォーマンスもとてもよかった。1点減点になったのは、1箇所、音がずれたからと、弓の持ち方が、少し曲がっていたから。」とのこと。恵子は、「先生は、譜面をみながら演奏を聞いているから、1箇所でもはずしたら、わかっちゃうんだよね。でも、バイオリンのことなんて何も知らない先生だと思っていたのに、弓の持ち方が若干ずれていることに気づくなんてすごいと思った。バイオリンの先生には注意されたことはあるけど、学校の音楽の先生には、今まで指摘されたことなかったから・・・」と感心していた。
恵子は、音楽を4コマの重点教科としてとっている。だから、このような、厳しいテストだったわけだ。音楽を4コマで選択しているのは8名だけ。本当に音楽が好きな子の集まり。歌3名、ピアノ1名、バイオリン1名、オーボエ1名、オルガン1名、ギター1名。先生も、いろいろな分野のことを知らなくてはいけないので、大変だなーと思った。

電話で、恵子に、勝手にメールをしたことを謝った。恵子は、そのことについては特に怒ってはいないようで、普段どおり、話をしてくれた。もしかして嫌われちゃったかな?と内心ひやひやしていたから、ホッとした。

もうすぐ、英語の授業があるから、電話を切るね、といわれた。
「あれ、英語の授業は免除になったんじゃないっけ?」と聞いたら、「詰まんないから出たくないけど、今はAbiturのための勉強をしているから、出たほうがいいかなーと思って・・」と言った。
Abiturは筆記試験4教科と口答試験。筆記は、ドイツ語、数学が必修で、あとは、外国語1教科+もう1教科。恵子は、英語とラテン語で受験する。口答試験は、プレゼンテーションがそのかわりになるらしく、それは、ラテン語と歴史に関係することらしく、一応強化的には歴史になるらしい。こうみると、恵子の受験科目は、すべて文系科目。確実に「1」が取れる教科を選択した結果だ。しかし、恵子は「理系」に進学したいと思っている。ドイツでは、Abiturの点数が問題になるから、ドイツの大学に進学する場合は、特に問題はないのだが、海外の大学に進学する場合は、問題になるようだ。そんなことまでぜんぜん考えていなかった。
恵子のクラスメートには、ケンブリッジやオックスフォードに願書を提出した子が3名もいるそうだ。でも、恵子は、いまだに、進路を絞れていないので、どの学科に出願していいのかさえわからない状況。勉強したいことが多すぎて、いまだに迷っているらしい。
「研究者になりたい」という漠然な夢しかない。何の研究をしたいか、という具体案はない。

ニコちゃんが、今、友達に「Freundebuch」というサイン帖のようなものをまわして書いてもらっている。その中に、「将来なりたいもの」を記入する欄がある。ニコちゃんの友達は、「パン屋さん」とか「学校の先生」とか、子供らしい夢を書いてくれているのだが、ニコちゃん自身は、「スーパーマン」と書いている。悪者と戦うスーパーヒーローになりたいらしい。テレビの見すぎだと思う。
ニコちゃんは、もしかして、いろいろな職業がわからないのではないか、と心配になる。

賢浩も、少し前まで、NARUTOの世界にあこがれて、「忍者になりたい」などとふざけたことを本気で言っていた。情けない。





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最終更新日  2013年11月14日 14時00分15秒
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