ドイツでマルチリンガルを育てる

昨日、ニコちゃんは、友達の誕生日会に呼ばれていた。
それで、前日にプレゼントを買いに行ったのだけど、ニコちゃんは友達のプレゼントを選ぶことには興味なく、来月の自分の誕生日のプレゼントを探すことに夢中。私が、「これどう思う？　あれとこれならどちらを喜ぶかな？」と聞いても、「どっちでもいいよ。それよりこっち来て。(自分の）誕生日のプレゼントにはこれが欲しいのだけど・・・」と自分の欲しいレゴセットを指差す。お店においてあったレゴのカタログをもらってきて、家でずっと眺めている。
親戚と電話で話すときも、自分の誕生日には何が欲しいかそのことしか話題にしない。
木曜日の夜に恵子が家に戻ってきて、私に誕生日プレゼントをくれたのだが、そのときも、自分にプレゼントがないことにすねていた。「ニコちゃんの誕生日は来月でしょ。」と言っても、納得しない。

昨日の夜、アメリカに住む義姉から賢浩に電話があった。
いつものことながら、（義姉からの）フランス語の課題をやったか？という確認の電話。賢浩は、「面倒くさいな。また電話かよ。」と文句を言ってるのに、義姉の前では、「うるさいなー」「なんでそんなことしないといけないんだよ」「毎週毎週、そんなことで電話してくるな」などという悪態は絶対につかない。「今週は忙しかったから、まだ課題をしていない。」とか「ママがPCを使わせてくれないから、課題ができない。」とか、言い訳はするけど、結局最後はいつも、「わかった、明日までやる。」と割と素直に返事をする。課題を少なくしようと交渉はするけれど、やらないとか、無視することはない。弱みを握られているのかと思うぐらい従順。
で、賢浩が義姉と電話で話している時、ニコちゃんは、「ニコちゃんもXX(義姉）と話したいことがある。」と言って、賢浩の横で、電話で話す順番を待っていた。

しばらくして、居間に戻ってきたら、ニコちゃんがパニック状態で、泣いていた。義姉に自分の誕生日プレゼントに何が欲しいかを話したときに、義姉から課題を出されたようだ。一週間の曜日を順番どおり英語で全部言えないとプレゼントをあげないと義姉が言ったらしい。義姉との電話での会話を私は聞いていなかったので、実際にどんなやり取りがあったのかわからないが、少なくとも、ニコちゃんはそう解釈したようで、それで、「プレゼントがもらえないかもしれない」という恐怖心から泣いていた、というのが真相のようだ。
誕生日までまだ１ヶ月以上あるし、ドイツ語では言えるのだから、英語でだって、覚えるのはニコちゃんにはそれほど難しい話ではないと思う。でも「頑張って覚えよう。」という気持ちにはならないで、「プレゼントがもらえないかもしれない。」と悲しい気持ちになってしまった。

夫は、「大丈夫だよ。たとえ言えなくても絶対にプレゼントを買ってくれるよ。もし買ってもらえなかったら、パパが買ってあげるから・・」と慰めた。「どれが欲しいのか、パパに言ってごらん。」と言われ、ニコちゃんもようやく落ち着きを取り戻した。

ニコちゃんが欲しいおもちゃなんて、それほど高価なものではない。だけど、本人にとってはものすごく大きな意味がある。次の誕生日には何をもらおうか、去年の誕生日以降、ずっとそのことばかり考えている。軽い気持ちで、「これができたら買ってあげる、できなかったら買ってあげない」というような条件を出してはだめなんだなーと思った。条件を出すなら、「買ってあげるから、その代わり、ニコちゃんも頑張ってね。」と言う程度でないといけないのだなーと教訓になった。まあ、そもそも、誕生日のプレゼントをあげるのに条件を出してはいけないのかもしれない。