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カテゴリ:子供
金曜日に恵子が戻ってきた。
1週間のファッシングホリデーが終わったら、いよいよAbitur(卒業試験)。 2月は、そのための補講や模擬試験、口答試験があって大変だったようだが、テストの点数はどれも15点(満点)でドイツ語だけが14点。本人は「あんまりできなかったなーと思っていたテストもみんないい点だったから、自信になった。」と言っていた。普通にいけば、平均1.0は確実。全然できなくて、半分白紙で出しても、今までの積み重ねで、平均は1.7には軽く届くから、気が楽になったとも言っていた。「受験生」という緊迫感はない。 先生も、自分の教えている子にはいい点を取ってもらいたいから、この時期、頻繁に補講をしてくれるのだそうだ。これは、寮生活だから、可能なのだが、夕飯後に生徒を集めて7時半から9時までラテン語特別講座とか数学で自習した問題を先生のBOXにいれておけば、チェックして翌日に返してくれるとか・・・。 Abiturのドイツの模擬試験は、本番さながら、5時間に及び、恵子はレポート用紙10枚書き綴ったそうだ。それでも、先生は23人分のテストを1週間で採点し、細かくどこを改善したらいいかを箇条書きしたコメントを一人ひとりに返してくれたそうだ。話を聞くたびに、恵子の学校の先生は本当に熱心だなーと感心する。恵子も、「先生はすごい!」とよく口にする。しかし、そういう先生もいる一方で、「一人2枚程度の答案なのに、テストを3週間たっても返却しない」先生もいるそうだ。私の印象では、ドイツではそういう先生は普通にごろごろしている。むしろ、恵子の学校の先生の熱心さは、ドイツでは珍しいように思う。やはり、一般のギムナジウムとは先生の質も違うように思う。 Abiturに対する知識が私には全くなかったが、ようやく最近理解できてきた。 筆記は全部で4教科。ドイツ語と数学は必修。後の2科目中1科目は外国語を選ばなければならない。最後の1科目は自由選択。 日本だって、受験といえば、英数国+社会か理科という組み合わせだから、その辺は似たような感じ。でも、Abiturの場合、外国語は必ずしも英語でなくてもいい。日本語でもAbiturは受験できるそうだが、恵子たちの学校では科目にないから、無理。スポーツや音楽でも受験できる。恵子は、音楽の先生に、「あなたなら、音楽でAbiturを受けていたとしても、満点とれていただろう。」言われたそうだ。音楽でAbiturを受験する子は恵子の学校には3人いるそうだが、音楽学校に進学を希望しているわけではない。 最後の科目をもうひとつの語学にすることもできる。恵子は英語とラテン語で受験だし、恵子の友達の中には、スペイン語とフランス語という組み合わせをしている子もいる。しかし、外国語の場合、コミュニケーション能力もテストされるので、口答試験がある。 英語の口答試験が先週あったのだが、一人で受けるか二人で受けるかを選択することができるそうだ。恵子は一人での試験を希望した。まず10分間一人で話し続け、その後面接官二人との会話を20分。満点をもらって、ものすごく喜んでいた。 翌日、恵子は友達の口頭試験のダミーパートナーを頼まれた。友達はパートナーとの会話形式の試験を希望したからだ。恵子はすでに点数がついているので、友達だけが採点対象。たくさんしゃべったほうが点数がよくなるから、恵子は、自分からは話始めないことと自分はたくさんはなさないことを心がけたそうだ。友達もその点は理解しているので、一方的にたくさん話していたらしいが、結局評価は10点で、友達は結構落ち込んでしまったそうだ。恵子は申し訳ない気分になったが、どうしたらよかったのかわからなかった・・・と言っていた。たぶん、友達がわざわざ恵子をダミーパートナーに選んだのは、恵子は英語ができるから、うまく会話を運んでくれると期待したからだと思う。でも、恵子は、助け舟を出すと、かえって相手の評価がマイナスになるのではないかと思ったし、友達の話す内容が理解できず、うまく会話がまわらなかったようだ。 友達は、「家に帰りたくないなー」と言っていたそうだ。彼女は一人っ子で親の関心が自分ひとりに集中し、「もっと勉強しろ」と言われるのが嫌なのだそうだ。 今、ほとんどの12年生はプレッシャーと戦っている。ファッシングの季節で、世間はお祭りムードだが、そんな気分にはなれない子がほとんどだろう。頑張れ、12年生! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年03月02日 16時42分24秒
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