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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2014年03月14日
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カテゴリ:子供
今日、ニコちゃんの誕生会をした。月曜日にクラスメート7人に招待状を出した。
その日のうちに2人のママから出席の返事をもらい、翌日、ほかの子からも、学校でニコちゃんに行くよとの返事があった。晴れの予報だし、賢浩に20ユーロ払うので、誕生会を仕切ってくれるようにお願いしたし、いろいろ企画は練ったし、準備万端。ニコちゃんが、宝探しをしたいと言うので、そのつもりで、招待状も海賊の宝の地図風にした。宝探しは、地図のパズルを庭のいたるところに隠し、パズルのピースを集めてもらう。パズルを完成させると、そこには公園に行くように指示がある。公園には次の場所の指示が隠してある。次々に指示通りに進んでいくと、最後にはアイスクリームショップに着き、そこでみんなアイスを食べる・・というのが私が考えたシナリオ。そのほか、端っこに小さな穴を開けた直径12cmのクッキーを焼いておき、みんなでその場でアイシングなどのデコレーションをしてもらう。乾いてからリボンを通し、メダルにする。そして、よくあるけど、Topfschlagen、それからピニャータ叩き。ピニャータもメダルも8人の子供+予備1で、昨日の午前中までに9個分用意した。

ところが、昨日の学校帰りに、ニコちゃんのクラスメート2人が突然うちに来た。この二人、実は兄妹。年子なのだけど、お兄ちゃんのほうは、1年入学を遅らせたので、一緒のクラスにいる。お兄ちゃんのほうは、2005年生まれで、今年9歳になる。二人ともと幼稚園のとき、一緒のクラスだった。2年前の誕生日には、二人ともに招待状を出したが、何の返事もなく、結局こなかった。それで、去年は招待しなかった。今年も、招待するつもりはなかった。今年に入ってから、お兄ちゃんのほうはニコちゃんの隣に座っているのだが、この子と座るようになってから授業中のおしゃべりが増えたようだし、この子はあまりお勉強ができないので、いつもニコちゃんのノートを丸写しで、ものすごい「キス魔」らしく、ニコちゃんは結構毛嫌いしていた。ところが、「明日、誕生日会でしょ? 何時から?」と聞くではないか。「え???」と頭が真っ白になった。「来たいの?」と聞いたら、「来たい!」と言う。わざわざうちに来て目の前でそういわれたら、「ごめん、できない」とはいえない。ニコちゃんも勝手に、「いいよ」と返事して、そのへんのメモ用紙に自分で招待状を書き始めた。

それではあんまりなので、1枚残っていた、少し破けてしまった招待状に二人の名前を書いて渡した。男の子が「ここになんて書いてあるの?」と自分の名前をさしながら聞いたので、「君の名前が書いてあるよ。」と答えたが、自分の名前すら読めないのかとびっくりした。
「ニコの部屋を見たい」と言い出し、勝手にうちに上がってきた。この部屋は?この部屋は?と勝手に覗く。学校の帰りだったので、「早く帰らないと、おうちの人が心配するよ。」と諭して、無理やり帰ってもらった。しかし、彼は、ひも靴をはいており、靴を履くとき、「ひもを結んで」と私に頼んだ。8歳になってもまだ靴ひもが結べないのか・・・とびっくりした。
「もし来れるなら、今日中に返事が欲しい」といったら、「なんで?」と聞かれた。「準備があるから、今日中に知りたい。」と伝えた。1時間後ぐらいにまたうちに来た。「僕たち、誕生日に行くから」と言いにきたのだ。そのまま、「ニコの家で遊びたい。」と言われた。しかし、こちらは準備で忙しいので断った。ニコちゃんが彼の家に行って遊ぶことになった。
1時間ぐらいして、戻ってきた。ニコのプレゼントを買いに行くから・・と言われたらしい。

私は、結局、クッキーもピニャータも作り足した。でも、10人の子供をつれて街中のアイスクリーム屋までラリーをするのは、賢浩には荷が重いと思った。私は、先回りして、指示書を置くつもりだったので、一緒に行けないし、この押しかけてきたおにいちゃんのほうが、すごく問題児で、人の言うことを聞かない。こういう子を外に連れ出して、何かあったら、怖いので、この兄妹が来ることになったために、宝探しは中止することにした。収拾がつかなくなることは目に見えていたからだ。

この兄妹の親もちょっと変わった人で、幼稚園の卒園のときに、一人5ユーロづつ出し合って先生に記念品をあげましょう、と言う話になったのだが、「5ユーロなんて大金、出せません!」といって、断ったツワモノ。でも、この兄妹は、洋服や靴は新品のすてきな物を着ているし、持ち物も流行のもの。5ユーロも出せない、という風には見えない。

今日、誕生会は、14時半から18時ということで開催したのだが、この兄妹は14時に来た。そして、なんと玄関でニコに、「はい、プレゼント」といって、2ユーロを渡した。こんな誕生日プレゼント初めて。。。しかも、2ユーロコイン1枚。これって、入場料のつもり???
少し遅れて、ママが来た。「うちの子たち、もういますか?」という確認だった。横には、「通訳者」がいた。ママの言葉を通訳者が私に伝える。「何時までですか? 6時ですか。迎えに来ますので、遅れても、子供たちだけで家に帰さないでください。」とのことだった。14時半から18時までということは昨日渡した招待状に書いてあったし、昨日はしつこいほど「何時から?」と聞かれたので、何度も「2時半から6時」と伝えたのに、全く無駄だったのだなーと思った。うちは、体のいい託児所扱いされているような気がした。

とにかく、この兄妹は、ほかの招待者、そして、特に、賢浩の癇に障ることばかりをやり続け、本当に不愉快だった。席も真ん中に陣取り、食べもしないのに、ケーキやクッキーの上に生クリームを大量に絞り出したり、他人にちょっかいを出して、ジュースをこぼしたり、ケーキの皿をひっくり返したり・・・・
いつも、自分が注目を浴びていないと気がすまないようだった。
途中で、お母さんが来たので、「お迎えが来たよ!」と言ったら、「子供だけで先に帰ってもいい、って言いに来ただけ・・」と言われて、心底がっかりしてしまった。

この兄妹、本当にずうずうしくてあきれる。「最後に、プレゼントをもらえるよね。いつ?」とか、「アイスは?」とか、「これ、もらってもいい?」「これ、うちに持って帰ってもいい?」を連発。どうにも耐えられなくて、「あなたたちを呼びたくて呼んだわけではないのよ。」と日本語で言ってしまった。

風船を足につけて、相手の風船を割るゲームをしようとしたのだが、みんなの準備が終わるまで割らないで、といっても、片っ端から、ほかの子の風船を割っていくし、賢浩がほかの子と遊んでいると、わざと賢浩の嫌がることをして気を引こうとしたり、とにかく、「お前らのせいで、せっかくのパーティーが台無しだよ!」と怒りがふつふつとわいてきた。

最後に、バーベキューをしようと思っていたのだけど、うまく火がつかなかった。それで、急遽、ソーセージをフライパンで焼いた。それと、フライドポテトとパン。本当は、バーベキューでマッシュマロを焼いたり、木の枝に巻きつけたパン生地を焼いたりすることを考えていたが、火がつかないので、どうしようもない。とにかく、すべてがうまくいかなかった。火がつかなかったのは、着火材がなかったから。うっかり確認を忘れていた私のミス。
兄妹は、「肉は食べられないから(彼らはトルコ人でイスラム教徒)フライドポテトだけちょうだい」と言った。そして、「ピザはないの?」と言う一言が、私の神経をさらに逆撫でした。ソーセージも、一応、鳥肉にしたが、全部を彼らにあわせることはできない。もともと彼らも呼ぶつもりなら、そのように配慮したが、バーベキューをする予定を変更したくなかった。結局できなかったので、ピザでもよかったのだけど、それは今だから言えること。
本当に、この兄妹に振り回された誕生会だった。

6時になり、続々とお母さんが迎えに来た。それで、この兄妹にも帰るように促した。「僕は、もう少しここにいて、ニコと遊びたい。」と言い出したが、無理やり追い返した。10分ぐらいして、また戻ってきて、「もう少し、ここにいさせて欲しい。」と言われたが、賢浩が断った。私が対応していたら、断れなかっただろう。

ニコちゃんにお友達ができるのはうれしいが、この兄妹との友達付き合いは、こちらからお断りしたいと思った。

本当にほかの子たちには申し訳ないことをしたと思っている。きっと、つまんなかった、と思われたかもしれない。ニコちゃんと仲良くしてもらおうと計画したのに、かえって、「二度と来たくない」と思われたかもしれない。
あんな招待状を送ったから、子供たちも宝探しをするものだと思っていたようで、がっかりさせてしまった。

そもそもは、私が昨日、断れなかったのが悪い。
今日の誕生会は、あれだけ準備したのに、達成感がまるっきりない。自己嫌悪しか残らない。





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最終更新日  2014年03月15日 05時58分55秒
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