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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2014年03月22日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
木曜日の夜、恵子が戻ってきた。
駅まで迎えに行った。
電車から降りてきた恵子は、私を見るなり、「ママ、大変ことをしちゃった・・・」と言った。何事かと思ったら、ニコちゃんへの誕生日プレゼントを買ったのに、それを寮の部屋にわすれてきてしまった・・・ということだった。「えー、それは大変。お財布や切符を忘れても仕方ないけど、プレゼントは一番忘れてはいけないものじゃない!」と冗談ぽく言ったら、「そうでしょー。どうしよう・・・」と困った顔をしていた。

家に着いたのは、8時半ごろだけど、にこちゃんはまだおきていた。
その日は、朝から、「今日は、恵ちゃんが帰ってくる日。どんなプレゼントをくれるのか、ワクワクしてるー」とずっと言っていた。だから、恵子がプレゼントを持って帰ってくるのを忘れたといったら、ものすごく怒って、泣いてしまった。「この次持って帰るから・・」といっても、この次は2週間後。そんなに待てない、と泣き止まない。
恵子も困って、「じゃあ、明日、スターウォーズカードを買ってあげるよ。一緒に買いに行こうね。」と提案したが、大きな箱にはいったプレゼントがいい。」とわがままを言う。せっかく、アビトゥアが終わって帰ってきたのに、「ご苦労さん」とか「おめでとう」というねぎらいの言葉は何ひとつなく、「恵ちゃんなんて好きじゃない」と言って責められるだけ。年の離れた弟がいると、大変だなーと思った。

金曜日は、恵子は地元の友達Cちゃんと遊びに出かけた。
アビトゥアが終わると、みんな開放的になって、本当は禁止だけど、学校内でアルコールを飲んだり、昼間っから酒盛りをする子が多い。ドイツでは16歳からビール、18歳からは度の強いお酒も飲めるようなので、違法ではない。でも、恵子は、お酒を飲みたいと思わないらしく、ノンアルコール派のCちゃんの家で一緒に料理して、ランチを食べ、見晴らしのいいところまでドライブして、そこでアイスクリームをたべたらしい。
このCちゃんは、もう18歳なので、車にのって、うちまで迎えに来てくれた。Cちゃんは、10歳年上の彼氏と同棲している。以前は、恵子たちは5人グループで仲がすごくよかったが、Cちゃんにボーイフレンドができ、ボーイフレンドを優先させるようになってから、少ずつ友情に亀裂がはいり、恵子が別の学校に転向してしまった後、グループはバラバラならになり、お互いよそよそしい関係になってしまったらしい。恵子は、転校したから、実家に戻ってきているときは、それぞれから誘われるけど、もう5人で一緒に集うことはできないだろう、と残念がっていた。

Cちゃんは、働きながら学位をとる「デュアルシステム」の大学にいきたいそうだ。将来、介護職に就きたいそうだが、なかなか研修生として受け入れてくれるところがなく、13箇所に応募したが、4箇所から「できるかも・・・」という返事があっただけで、まだ、決まらないそうだ。恵子は、普通(?)の大学に進学予定で、その応募はこれから。しかし、デュアルシステムの大学の場合、大学に入るのは難しくないが、Ausbildung(職業訓練)をさせてくれる職場を見つけるのが至難の業のようだ。
私が数年前、職業訓練学校を受験しようと思ったときも、Ausbildungをさせてもらえる職場が見つからなくて、結局は断念した。介護職は、学校の成績がよくなくてもなれる職種で、しかも、職業訓練中に稼げる額がほかの職種よりも多いので、Ausbildungの需要と供給では、供給先が少ない、と聞いたことがある。介護職で、学士を持つというのは、どういうことなんだろうか、と思う。

まあ、Abiturが終わったからといって、毎日お気楽に過ごせるわけでもない。大学進学への道は、これからが、本当の正念場。半年後にはどんな気持ちでいるのか、全く想像できない。





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最終更新日  2014年03月22日 18時04分28秒
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