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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2014年06月12日
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カテゴリ:子供
ものすごく暑い日が続いていたのだが、昨日の午後「集中豪雨」に見舞われ、一気に気温が下がったような気がする。
とにかく、火曜日までは真夏のような天気で、恵子の卒業式があった日もものすごく暑かった。
卒業式の前に荷物を運び出さなくてはいけなかったので、私たちは金曜日の10時過ぎに家を出た。ニコちゃんと賢浩は、恵子の卒業記念パーティー(Abiball)に参加したくないというので、二人でお留守番。
学校からはニコちゃんのほうが1時間ほど早く帰ってくる。私たちはニコちゃんが学校に行っている間に家を出なくてはいけなかったが、ニコちゃんに鍵を預けるのは不安。そこで、賢浩に鍵を預け、ニコちゃんには、1時間ほど庭で一人遊んで待っているように伝えた。一応食べ物と飲み物をテラスに用意して出かけた。

夕方、心配になって家に電話をしたが、なかなか応答がない。親がいないときに友人を自宅に呼ぶな、といっておいたのに、賢浩は仲良しのM君を呼んで、自室でPCゲーム三昧。ニコちゃんは、リビングルームでテレビ三昧。ものすごくいい天気だったのに、二人とも2日間ともずっと家にいたようだ。
金曜日の昼ごはんから土曜日の昼ごはんまで、4食分、食べ物はたくさん用意していった。そのため、前日は私はほとんど料理ばかりしていた。もちろん、お菓子やジュースも買っておいた。
土曜日の3時ぐらいに家に帰ってきたのだが、「こんな早く帰ってくるとは思わなかった」と二人とも残念そうだった。部屋中にお菓子を食べた後のごみが散乱し、ジュースも全部飲みつくされていた。怒る人もいないし、ゲームもしたい放題。食料の心配もない。むしろ、普段より好きなものが豊富にそろっている。二人とも本当に快適に過ごしたようで、「またどっかに行って!」と頼まれる始末。

恵子の卒業パーティーは午後7時から始まった。あらかじめ座席は決まっていて、ネームプレートがおいてあるテーブルに座った。私たちのテーブル名は、「パスカル」だった。それぞれのテーブルには、「ゲーテ」「ベートーベン」「ダ・ヴィンチ」など歴史上の有名人物の写真と名前が書かれていた。私たちの前には、恵子の友達の家族が座った。恵子の友達はパーティーの企画者の一人で、数学が大好きなので、数学者のパスカルを自分のテーブル名にしたかった、と言った。
彼女はすでにウルム大学の数学科に入学が決まっているようで、ウルムで部屋を探しているといった。
パーティー会場で、飲み物を載せたワゴンを押して、飲み物のサービスをしていたのは、在校生だった。元恵子のルームメートもいた。彼女は1年間NZに留学していたので、1年遅れている。
会場は青を効果的に使い、海の中のイメージだった。すべて手作りで、デコレーションもテーブルセッティングもすばらしいと思った。

パーティーが始まる前に、中庭で写真撮影とジャンパンサービスがあった。私は久々にヒールのある靴を長時間はいていたので、足が疲れてしまい、ベンチに腰をおろした。すると、アジア人女性が私に話しかけてきてくれた。彼女は韓国人で私のことは中国人と思っていたようだ。彼女は、韓国で薬学を勉強し、薬剤師として10年ほど働いていたが、教会の派遣で、ドイツで教育学を学ぶチャンスを得たそうだ。大学で学んでいるときに、現在のご主人に出会い、結婚。その後、彼女はミュンヘン大学の博士課程に進んだが、ご主人の仕事の関係で、韓国に行くことになり、学業を中断。病気で足に障害が出てしまったこととドイツで職歴がないことがネックになって、ドイツで大学を出ていても、なかなか職業につけず、専業主婦をしている、と言った。
彼女の息子さんM君は、恵子が「数学の天才」とよく言っていた子で、やはり、数学科に進むようだ。同じクラスのガールフレンドがドレスデンに住んでいて、彼女はシングルマザーのお母さんのそばにいてあげたいと考えているので、M君もドレスデンの近くの大学に進学を希望しているのだそうだ。17歳で、彼女のそばにいたいという理由で大学を決めるのはちょっと早計では?と余計なことを言ったら、M君のお母さんは「私もそう思いましたが、これは息子の意思ですから。それに数学なんて、どこの大学で学んでも同じようなものです。特に、学士は小学校みたいなものだから、その後の修士や博士課程で大学を決めれば問題ないです。」と言った。
M君のお母さんに、「恵子は、医学部ですか?」と聞かれたので、「たぶん、生化学の方面に行くと思います」といったら、「ミュンヘン工科大学かハイデルベルグなんかが評判いいですよ」と教えてくれた。「ハイデルベルグは医学部で有名ですが、化学や生物はどうなんでしょうかね?」と聞いたら、「薬化学も優れていますよ。たしか、今年は7月30日にインタビューがあるみたいですね」と言った。「えっ? ハイデルベルグ大学も面接をするんですか?」と私が驚いていたら、「そう、15分の面接のためにハイデルベルグまで呼びつけられるの。ハイデルベルグはそれだけお高く留まっている大学なのよ。」と教えてくれた。「そんな情報、どこで知るんですか?」と聞いたら、「ハイデルベルグ大学のホームぺージに出ているわよ」と言われた。なんだか、ちょっと恥ずかしかった。

また、パーティーの話に戻るが、パーティーはビュッフェ形式だった。食べ物をとるために並んでいるときに、列の前後になった人に、「恵子はすごいわね」と声をかけられた。初対面でも、私が恵子の母親であることは一目瞭然で、恵子自身も一番成績が優秀だったということで表彰もされたので、恵子=頭のいい子、というイメージがあるのだろう。しかし、私は相手が誰の保護者なのかわからない。「どの生徒のお母さんですか?」と聞いて、「XXです」といわれても、その子が誰なのかわからない。本当に気まずかった。

実は、ホテルのレストランで朝食を食べているときも、何人かに声を掛けられた。学校の近くにはそれほど宿泊施設が多くないので、保護者はみんな同じようなホテルに泊まることになる。最初は、どの生徒の保護者かわからなかったが、話をしているうちに、うちのVは・・・というようなことを言ったので、誰だかわかった。恵子の話の中にも良く出てくる女の子で、彼女は恵子よりもさらに年下。つい最近16歳になったばかり。音楽の才能がすごくあって、チェロも弾くので、恵子とよくアンサンブルをしていたようだ。彼女は、若いので、すぐには大学に行かず、1年社会活動のようなことをするらしい。その後は音楽大学に行きたいそうなのだが、音楽の先生に、音楽家になるのは生計を立てる意味では難しいので、お勧めしない、といわれているのだそうだ。

恵子は火曜日からクラスメート5人と旅行に出ている。2週間後に中国に行くので、旅行から帰ってきたら、すぐに大学の応募準備をしなくてはいけない。全部本人まかせにしているので、ハイデルベルグ大学のホームパージさえ覗いたことがなかったのだが、本人は第一志望のスイスの大学以外は、特に意中の大学はないようで、ちゃんとリサーチしてるのか不安。





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最終更新日  2014年06月12日 15時27分06秒
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